アフリカ南部に位置するザンビア共和国は、1964年の独立以来、紛争を経験していない、アフリカでもっとも平和な国の1 つです。しかし、人口の6 割以上が1日1.9米ドル未満での生活を余儀なくされており、特に人口密度の高い首都ルサカ市に住む貧困層は、厳しい生活環境の中、不安定な収入や感染症など様々な課題を抱えています。
面積:75.3万㎢ (日本の約2倍)
人口:1,786万人 (2019年/世界銀行)
公用語:英語
1 人あたりのGNI:1,430米ドル (2019年/世界銀行)
5 歳未満児死亡率:61人 (1,000人あたり、2019年/UNIGME)
妊産婦死亡率:213人 (10万人あたり、2019年/WHO)
都市コミュニティ小児保健システム強化プロジェクト(2011年2月-2014年3月)
ザンビア保健省をカウンターパートとし、小児保健の予防促進のシステムを地方都市(中央州カブウェ市、コッパーベルト州ンドラ市、北西部州ソルウェジ市)に普及・定着させ、その実践の成果や教訓を同国における今後の小児保健政策に反映させる活動を実施しました。なお本事業はJICA技術協力プロジェクトとして、アスカ・ワールド・コンサルタント株式会社と共同で実施しました。
詳細はこちらから(JICA技術協力プロジェクトサイトに移動します)。
小児結核対策事業(2011年1月-2013年2月)
この事業では、成人の結核患者と比較して特に診断、および患者の発見が難しく、対策が不足しがちな小児結核患者に焦点をあて、感染の予防、早期の診断、適切な治療、保健教育など総合的な結核対策の実施を支援しました。
「結核治療サポーター」と呼ばれる、地域から選ばれた保健ボランティアに基礎的な医療知識等を指導することで、結核患者の治療のサポーターとなるよう養成し、結核患者が確実に治療を受けられるよう支援を行いました。治療サポーターは、保健センターや各患者の家庭で患者が結核の治療薬を毎日服用するようモニタリングし、コミュニティでは結核・HIVに感染しないよう予防教育などを行っています。
小児結核は、家庭内に結核患者がいる場合、HIV陽性の場合、重度の栄養不良の場合、および5歳以下の場合がハイリスク・グループと考えられており、上記の活動に加えて、小児結核患者への栄養支援も行いました。
なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力」からの支援の他、多くの皆様からの寄附により実施しました。
ルサカ市結核・HIV/AIDS統合治療支援事業(2008年6月-2010年11月)
この事業では、首都ルサカ市とその近郊の2地区において、結核・HIV/AIDS統合治療支援と予防啓発教育を目的とし、活動を実施しました。
具体的には、結核・HIV/AIDS患者への支援を行う地域住民有志に対して、基礎的な医療知識等を指導することで結核・HIV/AIDS治療ボランティアとして養成しました。その後彼等は、保健センターや各患者の家庭で患者が結核やHIV/AIDSの治療薬を毎日服用して治療から脱落しないようモニタリングし、コミュニティでは地域住民が結核・HIV/AIDSに感染しないよう予防啓発教育を行いました。また、同ボランティアたちが活動を継続して行えるよう、彼等の生計向上活動も支援しました。
なお、このプロジェクトは、JICA草の根技術協力事業(草の根パートナー型)として実施しました。
結核・HIV/AIDS対策事業(2008年2月~2009年2月)
この事業では、首都ルサカ市の5つの地区と隣接する郊外農村2地区において、結核及びHIV/AIDSの蔓延状況の改善を目的とした活動を実施しました。
同地域では、結核患者の約7割がHIV/AIDSにも重複感染していましたが、根強い誤解・差別・偏見から受診をためらう患者が少なくありませんでした。そこで本事業は、結核・HIV/AIDS治療ボランティアを養成し、彼等の支援を受けた結核患者と結核・HIV/AIDSの重複感染者が、医療施設で適切な治療を受けることができるような仕組み作りに取り組みました。また結核やHIV/AIDSの知識の普及と差別の軽減を目指した啓発活動、結核治療施設の建設、結核担当看護師向けのデータ管理研修なども行いました。
なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しました。