ホンジュラス事業

ホンジュラス共和国は、国土の約80%を占める山地から、それぞれ大西洋と太平洋につながる沿岸平野部まで、豊かな自然と多様な生物に恵まれた国です。一方、人々の暮らしに必要な社会サービスは十分に提供されておらず、また国民の約6 割が貧困状態にあります。山間部では出産できる保健医療施設が少なく、技術を持った介助者による出産や産前健診の受診率増加が課題となっています。また、温暖化の影響による自然環境の変化は、農民の生活を脅かしています。

 
面積:11.2万㎢ (日本の約3分の1)
人口:1,028万人 (2021年/世界銀行)
公用語:スペイン語
1 人あたりのGNI:2,490米ドル (2021年/世界銀行)
5 歳未満児死亡率:17人 (出生1,000人あたり、2021年/UN IMGE)
妊産婦死亡率:72人 (出生10万人あたり、2020年/WHO)

母子継続ケア強化事業(2024年3月-現在)

 
【目的】
家庭・地域・保健所連携による母子の健康継続ケア体制の確立
 
【主な活動】
資機材の供与、保健人材(保健所スタッフ、保健ボランティア)の能力強化、保健ボランティアによる訪問保健指導。母子手帳の配布と活用促進、両親学級の開催、啓発活動、など
 
【活動レポート】
2024年3月:新しい活動地で「母子の継続ケア強化」事業を開始しました
 
【活動地】フランシスコ・モラサン県レイトカ市及びクラレン市

フランシスコ・モラサン県では、都市部と地方部の貧富及びインフラの格差が拡大しており、それが母子保健の向上を阻んでいる。特に事業対象の2市では、開発の遅れ、公的保健医療サービスの質の低迷に加えて、文化的な因習の影響により、母子の健康に対する意識と知識が不足している。
 
※本事業は、日本国外務省からの資金協力(日本NGO連携無償資金協力)に加え、皆様からのご寄付により活動を実施しています。

 

事業対象地の様子
クラレン市の保健所
乳がん・子宮頸がん検診促進による予防啓発事業(2022年12月-現在)

 
【目的】
乳がん・子宮頸がんの早期発見と治療
 
【主な活動】
公的保健医療施設における検診サービスの整備支援(技術研修の実施、資機材供与)、保健ボランティアの能力強化、啓発活動、など
 
【活動レポート】
2023年12月:乳がん・子宮頸がん検診事業が2年目に
2023年7月:第一三共株式会社「ホンジュラスにおける乳がん・子宮頸がん検診促進による予防啓発プロジェクト」(同社公式サイトに移動します)
 
【活動地】エル・パライソ県エル・パライソ市、ダンリ市、テウパセンティ市
ホンジュラス国内でも、乳がん・子宮頸がん罹患者数が最も多い県の一つだが、人材や資機材の不足もあり、一次医療機関ではHPVワクチン接種のみで、乳がん・子宮頸がん検診や治療、啓発サービスは提供されていない。
 
※本事業は、第一三共株式会社(本社:東京都中央区)との連携のもと、実施しています。

 

子宮頸がんの検査・治療方法の研修
保健ボランティアへの乳がん研修
保健サービスネットワーク(RISS)を通じた保健サービスデリバリー強化プロジェクト(2021年10月-現在)


 
JICA技術協力プロジェクトの共同企業体の構成員として、優先非感染性疾患(高血圧症、糖尿病)に係る効率的な保健サービスの提供を目指し、保健行政が行う監督・モニタリング・評価体制の構築支援に携わっています。
プロジェクト詳細はこちらから(JICA技術協力プロジェクトサイトに移動します)
 
 

水源保全とアグロフォレストリー推進事業(2023年7月-2024年6月)

 
【目的】
環境と調和した持続可能な農業を通じた自然との共生
 
【主な活動】
植樹、苗床の設置、水源の囲い設置(獣害防止のため)、など
 
【活動レポート】
2024年8月:地域の水源の保全を目指して~令和5年度「緑の募金」による活動のご報告~
 
【活動地】エル・パライソ県サン・ルカス市、サン・アントニオ・デ・フローレス市、オロポリ市、グイノペ市
活動地は降雨量の少ない乾燥地域のため、十分な収穫が得られず、住民は慢性的に食料不足の状況におかれている。少しでも生産性を高めようと、焼畑で耕作面積を広げたり化学肥料の使用を繰り返してきた結果、土地が痩せてさらに生産量が減り、ますます食料が不足するという悪循環に陥っている。
 
※本事業は、(公社)国土緑化推進機構「令和5年度緑の募金」ほか、皆様からのご寄付により活動を実施しました。

 

地域の水源
植樹に取り組む地域住民
家庭菜園を通じた栄養改善プロジェクト(2023年7月-2024年6月)

 
【目的】
栄養教育および家庭菜園栽培技術研修を通じた食料生産の増加と栄養バランスの良い食生活の実践
 
【主な活動】
家庭菜園運営委員会の結成と会合、菜園設置研修、野菜・果物栽培研修、自然環境にやさしい土壌(肥料)・除虫剤作製研修、栄養教室、学校菜園および児童への栄養教室
 
【活動レポート】
2024年9月:野菜を栽培して食べられるようになりました。サントスさんとアレハンドロくんからの手紙 (一食平和基金公式サイトへ移動します)
 
【活動地】エル・パライソ県サン・ルカス市、サン・アントニオ・デ・フローレス市、オロポリ市、グイノペ市
活動地は降雨量の少ない乾燥地域で、十分な収穫が得られず、住民は慢性的に食料不足の状況におかれている。特に野菜栽培は難しいことから、街中の商店まで遠いへき地集落では野菜や果物を食べる習慣がない。自然災害のたびに実施される食料配布支援は住民の依存度を高めており、農家を食料生産から退ける結果となっている。
 
※本事業は、立正佼成会一食平和基金からの助成、ぼてぢゅう®グループならびに皆様からのご寄付により活動を実施しました。

 

土壌づくり
家庭菜園の経験を伝える農家
受益者の声(サン・ルカス保健所医師 フリオ・セサル・バネガス・ヌニェスさん)
私はサン・ルカス市で唯一の医師です。
この市には貧困層が多く、市外の私立病院に通える人は極めて少ないため、2か所しかない公立の保健医療機関である保健所は、いつも患者さんで溢れています。行政の財政状況が厳しく、医療資機材不足に悩まされていたところ、アムダマインズから胎児超音波心音計や妊婦健診用の検査キットの寄贈など、多大な支援をいただきました。また、尿検査や血液検査(HIV、梅毒、ヘモグロビン)に係る研修と周産期・新生児ケアに関する研修を受け、保健所で新たなサービスの提供を開始することもできました。継続的に研修の機会があることの大切さと有難さを感じています。また、私の願いの一つであった歯科診療サービスも実現できそうで、とても嬉しいです。
引き続きアムダマインズと協力しながら母子保健の改善に取り組んでいきます。
フリオ・セサル・バネガス・ヌニェスさん
パートナーの声(大塚節子さん)
私は、若い頃にホンジュラスを知り、アムダマインズがこの国を支援していることから、マンスリーサポーターになりました。時間的にゆとりができたので、活動現場を見てみたいと、昨年9月に現地を訪問しました。
植林地や家庭菜園の場は斜面ばかりで、子どもたちがボール遊びをするスペースもありません。こんな大変な土地に、よくぞ植えられたものだと思いました。アボガドもまだ50cmぐらいでしたが、村の人からは、将来に希望がもてるようになったと言っていただきました。私の名入りのプレートの設置もありがとうございました。妊婦の家は、とても良い施設を作られたな、と思いました。小学校は、ないものが多すぎます。トイレと水の浄化装置の修復が早急に必要です。また、新しい国際空港の変貌ぶりにはびっくりでした。
プレートと村の人たち
ホンジュラススタッフブログ

 

 
言語景観から感じる文化」 2024年2月 奥田鹿恵子
ホンジュラス生活つれづれ」 2023年8月 山田留美子
とある日の食事」 2022年6月 奥田鹿恵子
贅沢なひととき」 2021年10月 白川良美
ホンジュラスで今何が起きているか~命を守るためには~」 2020年12月 白川良美
移動できる幸福、移動せずにすむ幸福」 2020年11月 山田留美子
動物に優しいホンジュラス」 2019年10月 白川良美
ホンジュラスの村人が大好きな栄養満点レシピを紹介します!」 2019年4月 陰山亮子
ホンジュラスのお弁当」 2018年8月 林裕美
気長に待とう、ホンジュラス」 2018年1月 陰山亮子

過去のプロジェクト

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(2024年9月更新)