ジブチ事業
アフリカ北東部「アフリカの角」に位置するジブチ共和国は、アデン湾、紅海に面しており、エチオピア、エリトリア、ソマリアと国境を接しています。アデン湾に臨むジブチ港はエチオピアをはじめ周辺国の海上貿易を担う拠点として栄えており、近年ではソマリア沖の海賊問題により日本から海上自衛隊などが派遣されています。同国は1991 年からソマリア、エチオピアなどの周辺国から難民を受け入れてきましたが、2008 年からのソマリア南部の情勢悪化の影響により、難民は増加し、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の発表によると2011 年12 月末時点での難民人口は2万人を超えています。
AMDAは1992年から当地で活動を開始し、また1993年からはUNHCRの事業パートナーとしてアリアデ難民キャンプにおいてソマリア・エチオピア難民に対する医療サービスやキャンプ内の公衆衛生サービスを提供してきました。
面積:2万平方キロメートル(四国の約1.3倍)
人口:89万人
言語:ソマリ語(60%)、アファール語(35%)、他
5歳未満児死亡率:91 (1000人当たり、2010年)
妊産婦死亡率:300 (10万人当たり、2008年)
難民支援事業(1993年-2012年)
1993年からUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)のプロジェクト実施パートナーとして、19年にわたりソマリア、エチオピア、エリトリアを主な母国とする難民に医療支援を行ってきました。首都ジブチ市から車で南西に2時間のところにあるアリアデ(Ali Adde)キャンプで2万人を超える難民に対して、診察・治療、近郊都市の病院への患者搬送、分娩介助、妊産婦健診、乳幼児成長発達観察等の母子保健、予防接種、栄養改善プログラム、HIV/AIDS予防教育及びカウンセリング、トイレ建設・環境美化運動等の公衆衛生活動など多岐にわたる保健医療活動を実施してきました。
さらに、2008年末からは、外務省日本NGO連携無償資金協力事業として、キャンプの診療所で対応できない患者を近郊のアリサビエ市、首都ジブチ市の病院へ搬送するリファラルサービスの強化を行いました。その結果、キャンプの診療所での一次医療ならびに上位医療機関への搬送のシステムを確立することができました。2012年3月に事業を終了し、難民への医療サービスの提供は国際NGOであるCARE Canadaへ引き継ぎました。これまでの19年に亘りご支援いただきました皆様に心よりお礼申し上げます。誠にありがとうございました。