経済発展が続くネパールでは、2026年の後発開発途上国からの卒業を前に、国内の様々な格差是正に向けた取り組みが勧められています。特に、これまで開発政策の成果が十分に行き届かなかった「開発優先地域」とされるへき地や、社会的に弱い立場にある子ども、女性、少数民族、低カースト層などを対象とした取り組みは急務であり、誰一人取り残さない、きめ細やかな支援が必要とされています。
面積:14.7万㎢ (北海道の約1.8倍)
人口:3,090万人 (2023年/世界銀行)
公用語:ネパール語
1 人あたりのGNI:1,370米ドル (2023年/世界銀行)
5 歳未満児死亡率:27人 (出生1,000人あたり、2022年/UN IGME)
妊産婦死亡率:174人 (出生10万人あたり、2020年/WHO)
ネパール極西部へき地集落における安全な妊娠・出産促進事業(2023年3月-現在)
【目的】
安全な妊娠と出産の促進
【主な活動】
分娩可能な公的保健医療施設の建設と資機材の供与、助産師研修の開催、エコー検査技術研修の開催、へき地集落でのエコー検診キャンプの実施、保健ボランティアの能力強化、地域啓発活動の実施、青少年対象のリプロダクティブヘルス教育の実施、など
【活動レポート】
2024年5月:「おかやまコープAMDA基金」からの支援贈呈式(同社公式サイトへ移動します)
2023年11月:ハプニングの連続!?へき地集落での建設作業に密着!
2023年4月:灯台下の暗やみに、あかりを灯す
【活動地】カイラリ郡チュレ地区
「灯台下の暗やみ」と揶揄されるほど、開発から取り残されている地域の一つ。公的保健医療サービスへのアクセスが非常に困難で、2021年には出産506件中、妊産婦死亡が6件、新生児死亡が13件もあるなど、女性の安全な妊娠と出産が脅かされている。
※本事業は、日本国外務省からの資金協力(日本NGO連携無償資金協力)、公益財団法人森村豊明会からの助成に加え、株式会社オカイ・メディカル・ファーマシー、生活協同組合おかやまコープ「AMDA基金」ほか、皆様からのご寄付により活動を実施しています。
地域啓発活動の様子
赤ちゃんキットの提供
赤ちゃんキットの提供
青年リーダーたちと取り組む「稼ぐための農業」推進プロジェクト(2024年3月-現在)
【目的】
販売を前提とした農業生産活動の定着
【主な活動】
リーダーファーマーの育成、農家グループセミナーの開催、セクター関係者会合の開催、技術研修(換金作物栽培、加工技術)、加工資機材供与、市場調査・開拓支援、共同出荷体制の構築支援、本邦研修、など
【活動レポート】
2024年7月:ネパールで取り組む「稼ぐための農業」
【事業地】ゴルカ郡2地区
2015年ネパール大地震の震央だったゴルカ郡内の2 地区。98%の農家が急峻な斜面にある雑穀畑で農業を営んでいるが、多くが生計を維持できず、自給農業では食べていけない期間が半年以上に及ぶ世帯は64%にものぼる。少数民族や低カースト層ら社会的・経済的弱者が全人口の75%を占める。
※本事業は、JICA草の根技術協力事業(草の根パートナー型)として取り組んでいます。
コーヒーの育苗
農家グループ説明会
受益者の声(カイララ診療所助産師 クリシュナ・クマリ・チョウドリさん)
私は2年半前から助産師として勤務していますが、これまではまともな分娩施設がありませんでした。強い風が吹けば天井からセメントのかけらが落ちてくる部屋に、分娩台と消耗品が置かれているだけという有様。それでも、私を頼ってくる妊婦さんがいれば、必死に対応してきました。時には、生まれたばかりの赤ちゃんの上にセメントのかけらが落ちてきて、やり切れない気持ちになったことも。
でも、今は違います。「心配しないで。2年後にはここに、他の区のどの建物よりも立派なヘルスポストが建つのよ。妊婦さんが安心して出産に臨める環境で、赤ちゃんの誕生をお手伝いすることができるのよ」と、その時の私に言ってあげたい。助産師として、これ以上うれしいことはありません。
「灯台下の暗やみ」と呼ばれるほど取り残されたこの地域に明かりを灯してくれて、感謝の気持ちでいっぱいです。
でも、今は違います。「心配しないで。2年後にはここに、他の区のどの建物よりも立派なヘルスポストが建つのよ。妊婦さんが安心して出産に臨める環境で、赤ちゃんの誕生をお手伝いすることができるのよ」と、その時の私に言ってあげたい。助産師として、これ以上うれしいことはありません。
「灯台下の暗やみ」と呼ばれるほど取り残されたこの地域に明かりを灯してくれて、感謝の気持ちでいっぱいです。
クリシュナさん
パートナーの声(JICA中国 市民参加協力課 齋藤あいさん)
アムダマインズとJICAは、2024年よりネパールで草の根技術協力「青年リーダーたちと取り組む「稼ぐための農業」推進プロジェクト」を協働して実施しています。
JICA草の根技術協力事業は、全国のNGO等の団体から開発途上国での事業の提案を受け、審査を経て実施となりますが、厳しい競争倍率のなか採択されたものです。これは、アムダマインズがこれまで開発途上国で現地関係者と協働し培われてきた着実な事業実施経験・成果と、今回「稼ぐための農業」という現地住民やネパールで必要とされ注目される新たな挑戦・実現へ向けた信頼、期待によるものと考えます。本事業では日本国内での国際協力への理解促進や日本国内への還元といった取り組みも積極的に計画されていて、日本とネパールを草の根レベルで繋ぐ本事業の本質を的確に捉えた事業です。
これから3年間本事業を通じてアムダマインズと協働し事業実施し、現地及び日本地域に貢献できることを楽しみにしています。
JICA草の根技術協力事業は、全国のNGO等の団体から開発途上国での事業の提案を受け、審査を経て実施となりますが、厳しい競争倍率のなか採択されたものです。これは、アムダマインズがこれまで開発途上国で現地関係者と協働し培われてきた着実な事業実施経験・成果と、今回「稼ぐための農業」という現地住民やネパールで必要とされ注目される新たな挑戦・実現へ向けた信頼、期待によるものと考えます。本事業では日本国内での国際協力への理解促進や日本国内への還元といった取り組みも積極的に計画されていて、日本とネパールを草の根レベルで繋ぐ本事業の本質を的確に捉えた事業です。
これから3年間本事業を通じてアムダマインズと協働し事業実施し、現地及び日本地域に貢献できることを楽しみにしています。
ネパールスタッフブログ
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「初のネパールは発見の連続!」
(2024年7月 熊代智恵)
ヒマラヤの姿に圧倒されたり、多様性あふれる文化に感動したり、ドラマのような展開に驚いたり…。ネパールに初出張したスタッフの熊代の初ネパール体験記です。
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バックナンバー
「ウプレティ家の台所から:晩ごはんの準備がめんどくさい日のチキンカレー」 2023年6月 小林麻衣子
「ネパールでの暮らし、第2幕のはじまり」 2022年9月 小林麻衣子
「ネパール駐在を終え、明日香村で思いを巡らす」 2021年12月 奥田鹿恵子
「ネパールの「お茶の時間」のいま、そしてこれから」 2021年8月 小林麻衣子
「コロナ禍での経済成長の明暗はいかに…」 2020年12月 奥田鹿恵子
「ロックダウンから2ヶ月」 2020年5月 奥田鹿恵子
「インターン通信①」「インターン通信②」「インターン通信③」 2020年1~2月 川口美子
「ヒマラヤへの想い」 2019年12月 田中一弘
「ウンのつく暮らし~犬と牛と時々猫」 2019年11月 奥田鹿恵子
「変わるネパール、変わらないネパール」 2019年9月 松本千穂
「ばぁばとじぃじと、時々、オトン」 2019年6月 竹久佳恵
「私がネパールで仕事を続けているわけ~4回目の4月25日によせて~」 2019年5月 小林麻衣子
「子どもの頃の遊びに思いを馳せて」 2018年12月 奥田鹿恵子
「サウン月とメヘンディ」 2018年8月 小林麻衣子
「インターン通信①」「インターン通信②」「インターン通信③」 2018年5~7月 大津璃紗
「民族衣装デビューしました!」 2018年4月 奥田鹿恵子
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(2024年12月更新)