マダガスカルでの取り組み

マダガスカル共和国は、アフリカ大陸の南東、世界で4番目に大きいマダガスカル島を中心とする島国です。固有種の動植物が多く生息し、アフリカとアジアが融合した文化など魅力あふれる国ですが、農業生産性が低く、経済構造も脆弱なため、1日2.15ドル未満で生活する人々が8割にも上ります。また、森林伐採に加え、近年の気候変動が農業に与える影響は計り知れず、不作による食糧不足と収入の低下は、子どもをはじめとする住民の栄養状態を悪化させ、健康を脅かしています。

 

面積:58.7万km2 (日本の約1.6倍)
人口:3,033万人 (2023年/世界銀行)
公用語:マダガスカル語/フランス語
1人あたりのGNI:530米ドル (2023年/世界銀行)
5歳未満児死亡率:66人 (出生1,000人あたり、2022年/UN IGME)
妊産婦死亡率:392人 (出生10万人あたり、2020年/WHO)

アチモンジャン郡における5歳未満児の栄養改善支援事業(2022年3月-現在)

 
【目的】
5歳未満児の保護者の栄養改善にむけた行動変容と定着
 
【主な活動】
トレーナーの育成、トレーナーによる住民研修の実施(栄養/生計/保健分野)、メディアでの情報発信、トイレ整備、家庭菜園の普及、養鶏支援、など
 
【活動レポート】
2024年12月:一羽一羽に夢をのせて
2023年11月:1,000のチャンスをつくる野菜栽培キットの配布
2022年4月:少しの工夫で変わる意識~マダガスカルで子どもの栄養改善に向けた取り組みを90村に拡大
 
【活動地】アナラマンガ県アチモンジャン郡
事業地が位置する中央高地は、マダガスカル国内でも発育阻害が特に深刻な地域だが、さまざまな制約により栄養普及員ら栄養改善を担う人材が十分活動できていない。結果として、地域住民の栄養に関する理解や行動改善が不十分・不適切なままで、特に抵抗力の弱い5歳未満児の健康を阻害している。
 
※本事業は、日本国外務省からの資金協力(日本NGO連携無償資金協力)に加え、公益信託アフリカ支援基金とかながわ湘南ロータリークラブからの助成、ならびに皆様からのご寄付により活動を進めています。
トレーナーによる住民研修
野菜栽培キットを受け取った村人

受益者の声(ツアファフィコミューンのトレーナー ラアリニアナ・マリエ・オテンセさん)
アンブイケリ村のトレーナーとして、住民への研修と活動を進めています。
プロジェクトを通じ、私は栄養、農業、生計、水と衛生、家計管理、コミュニティヘルスに関する知識を身に着け、行動変容研修も村で実施できるようになりました。これまで村の母親たちは生後3か月の子どもに食べ物を与えていましたが、今では生後6か月までは母乳だけで哺育するようになりました。また、農家は収穫量を増やすために化学肥料を使っていましたが、それが土に与える悪影響を知ってからは、有機肥料を自分たちで作るようになりました。
プロジェクトのおかげで、住民は栄養の重要性を理解し、自分たちで除虫剤や堆肥を作り、家計管理をすることで節約もできるようになりました。このプロジェクトが続いて欲しいと思います。
ラアリニアナさん
スタッフ紹介(マダガスカル事務所 総務・財務担当 アンドレア・ランザラ)
私はプロジェクトが円滑に実施されるよう、総務・財務業務を担当しています。
2023年度の活動の中では、特にトイレの建設と野菜栽培キットの配布が良かったと思います。田舎ではトイレを所有している家庭は多くありません。2023年度は2つのコミューンにおいて、日本の皆様からの支援により410世帯にトイレを設置することができました。また野菜栽培キットは、5歳未満児の栄養改善に向けた家庭菜園作りを後押しします。取り組みやすくなるよう、販売用作物の生産や堆肥作りの研修も実施しました。
私は事務方ですが、事業地に足を運び、活動を実際に見る機会にも恵まれました。キットを受け取った方々の庭が家庭菜園に変わっていく様子はとても印象的です。
日本の皆様からの贈り物は、目に見える形で活用されています。
アンドレア・ランザラ
マガダスカルスタッフブログ
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(2024年12月更新)