復興の息吹き~新しい家が続々と建設中!~ /ネパール事務所 奥田鹿恵子
今、ダディン郡では、プロジェクトで実施した大工研修を受講した住民たちが、家の建設作業に奔走しています。
ネパール地震の震源地ゴルカ郡の東隣に位置するダディン郡は、同地震で最も大きな損害を受けた6郡の1つで、その規模は住民一人当たり平均年収の約5倍に上ります。住民一人ひとりの自助努力だけでは復興が難しいのは明らかです。AMDA-MINDSは2016年7月から、特に支援が行き届きにくい北部20行政村における住居再建を加速させるため、地域技師と地域建設作業員を育成するプロジェクトを実施しています。詳しくはこちら。
2015年の大地震後の住まいは、トタン板で建てた仮設住宅やヒビが入った家でした。「また地震が来たら」と不安を抱えながら住まなければならない上、隙間だらけで特に冬の生活は厳しい…。でも、村には十分な技術と経験を持った大工さんがおらず、新しい家を建てたくても建てることができず…。という状況がもう2年も続いていましたが、地域の住民がプロジェクトの大工研修を受講し、耐震建設技術を身につけ、いまや家の再建に引っ張りだこ!村の復興に大活躍中です。
研修受講者の建設現場には、事業スタッフのエンジニアが訪問し、必要に応じて、技術サポートを行っています。
2階建て4部屋の家を建てる場合、建設費は約70~80万ルピー(76~86万円)。皆、ローンを組んだり、政府からの補助金や出稼ぎ家族からの海外送金を受けたりして賄っています。
木や石、骨材、セメント、ワイヤーなどが建設に使用されていますが、資材を運ぶのも一苦労。朝5時に山の上まで登って木を切り、夕方、村に帰ってくるなど当たり前のようです。
台所の換気が悪いので、調理中の煙で私はすぐ目が痛くなってしまうのですが、村の人たちは慣れたものです。ちなみに食器洗いは、身体を洗ったり洗濯したりする屋外の水場でするのが一般的です。
トイレは外にあることが多いのですが、先日訪問した時には、家の中にトイレをつくっているお宅を初めてみました。
「新しい家が完成すれば、ようやく落ち着いて暮らすことができる」と、明るい声を聞くことができ、私も嬉しい気持ちでいっぱいです。