ちょっとお隣まで~インド訪問記~ ネパール事務所 小林麻衣子
みなさん、ナマステ(こんにちは)。今日のTea Breakは、任国ネパールを抜け出し、隣国のインドについて書いてみたいと思います。同じ「カレー国」だけあってネパールとどこか似ている?いや、ぜんぜん似ていない?そもそも、インド国内なのに場所が異なると違う国みたい!?多様な魅力が満載のインドを、ほんの少し、お届けしたいと思います。
9月、お祭りシーズンでまとまったお休みがあったので、「インド三都物語」と題し、ジョードプル、アグラ、そしてコルカタを旅行しました。ネパールで駐在をしている間にも数回インドは訪れていますが、インド西部に位置するジョードプルは初めて、アグラとコルカタには11年ぶりの訪問となりました。カトマンズから飛行機で、インドの首都デリーまでは1時間半ほどのフライトです。お隣の国だけあって、まるで、岡山から東京に行くくらいの気持ちで「国外旅行」です。
デリーからジョードプルまでは、寝台列車で12時間の旅。ここは、インド大砂漠の中に位置するかつてのオアシス都市で、岩の上につくられた城塞と青く塗られた城下町が美しいところです。城塞は、15世紀に建設されたもので、一時ムガル帝国の支配も受けましたが、その後1947年まで実際に藩王が暮らしていました。約500年間の歴史を理解するには、3時間の滞在は短すぎるものでしたが、展示されている武器や調度品、宝飾品、そして城のつくりそのものから、当時の暮らしに思いを馳せることができました。
続いてアグラ。ここは、言わずと知れたタージマハルで有名な、インド屈指の観光地です。実は現在、今年3月に新たに就任した州首相によって、タージマハルを同州の主要観光地リストから外す、などの議論がなされているのですが、リストに載るかどうかはもはや関係ないほど、観光地としては不動の存在で、かくいう私も今回の訪問が4回目でした。
初めての訪問は1998年でしたが、その時に比べると、数々の修復を経て心なしか新しくなったような気がしました。歴史的建造物のさだめなのかもしれませんが、かつての姿を後世に継いでいくために修復を繰り返すことによって、かつての素材がどこにもなくなってしまう、ということもあり得るのかな、などと、少し心配になったアグラでした。
そして、最後は東インドに位置するコルカタまで飛行機でひとっとび。コルカタが一年でいちばん賑わうドゥルガ・プージャというお祭りを楽しみました。かつての英国統治時代の首都であったコルカタは、今でも英国式の建物や街並みが残っていて、別の都市から来ると違う国にいるように感じます。ベンガル湾に注ぐ水脈が豊かなコルカタでは、えびや魚のカレーがとてもおいしく、ネパールでは食べられない食材をたらふく楽しみました。
10日間のインド旅行を終えて戻ってきたカトマンズは、相変わらず埃っぽくて狭い道路では渋滞もひどかったのですが、それでも、人懐っこいタクシーの運転手や見慣れた風景にどことなく安心している自分がいました。