地震から3年 ~取り残された人を一人でも減らすために~ ネパール事務所 小林麻衣子
2015年4月25日に発生した大地震から、まる3年が経ちます。カトマンズを中心に、追悼の記念式典などが催されていて、亡くなった8,460名の尊い命に改めて追悼の念を抱くと共に、私自身もその時のことを振り返って、とにかく村の人たちと一緒になにかをして前に進もう、と必死だった日々に思いを馳せています。
AMDA-MINDSが事業を実施しているカブレ郡ロシ地区でも被害は大きく、6割の世帯が住む家を失いました。現在は、その半分ほどの世帯が新しく家を建てて、生活の立て直しに励んでいます。しかし、言い換えれば、家を失った世帯の半分は、まだ新たな家を再建することができていない、ということです。ネパール政府は、震災で家を失った人たちに対して、約30万円の補助金を支給していますが、もちろん、この金額では家を建てることはできず、残りの資金は自分で調達しなければなりません。「震災バブル」と言われる建設資材の価格高騰が、さらに貧困世帯を苦しめます。
また、高齢者や未亡人、障がいを持つ人など、社会サービスにアクセスすることが困難なため、補助金申請や資材調達の上で第三者のサポートを得られず、震災復興から取り残されているケースも少なからずあります。もともと社会経済的に脆弱だった人たちが、震災によって傷つき、さらに苦しい状況に陥っているのを目の当たりにすると、3年経ったとはいえ、震災被害はまだまだ現実のものとして続いている、と感じます。
AMDA-MINDSは、農業振興を通じた復興支援事業を行っており、対象地域300世帯(全1,300世帯)における農作物の販売による収入向上を目指しています。この活動がより多くの世帯に広まり、「取り残された人」がひとりでも減るよう、引き続き、皆さまからのご支援をお願いします。
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