民族衣装デビューしました! ネパール事務所 奥田鹿恵子
前職の青年海外協力隊で派遣されたドミニカ共和国では、これと言って特有の民族衣装がなく、他国に派遣された隊員たちが各国の素敵な服を身にまとう姿を羨ましく思っていました。そんな私もここネパールで、念願の民族衣装デビュー!赴任3年目にして初めて、ネパール人女性の普段着「クルタスルワール」(ロング・チュニック+ズボン)を仕立ててもらいました。
生地を持って、仕立て屋さんへ。イメージになる写真を見せて、すんなり注文できるのかと思いきや、チュニックのバックのネックラインはどれくらいの深さにするのか、ズボンのウエスト部分はバックだけゴムにするのか、ヒモを通すのか等、予想以上に細かく聞かれてアタフタ。ズボンはダボッとした感じが伝統的ですが、最近の流行に乗ってストレートにしてもらいました。その後、2週間で完成。最初の試着では、チュニックがキツすぎて一人で脱げなかったので、サイドにジッパーをつけてもらいました。これにショールを纏えば完璧です。
「クルタスルワール」に加えて、他の南アジア諸国でも広くみられる「サリー」もネパールの代表的な民族衣装です。男性の場合、「ダウラスルワール」(上衣+ズボン)という民族衣装がありますが、普段着ている人はさほど多くありません。男性よりも女性の伝統衣装の方が若い世代に引き継がれ、デザインも多様化しているように思います。また、ジーンズやTシャツ等、私たち日本人と同じような服を着ている人も多く見かけますが、ノースリーブのように肌の露出部分が多い服は一般的ではありません。
AMDA-MINDSの活動地の主要民族、タマン族の伝統衣装は一枚布のスカートで、細いストライプが入ったデザインが特徴的です。普段も一枚布を腰に巻いて畑仕事に勤しむ女性をよく目にします。ズボンの方が絶対動きやすそうに思うのですが、腰に巻いただけの布が農作業中にズレ落ちてこないのだから不思議です。
130の民族が暮らすネパールには、それぞれの民族衣装があります。これから海外のファッションがもっと入ってくると思いますが、彼ら独自の「衣」の文化も大切に残していって欲しいです。