アグロフォレストリー推進活動開始 ネパール事務所 小林麻衣子
2018/07/24
カブレ郡ロシ地区で、アグロフォレストリーを推進する活動を新たに開始しました。
この地域には、標高800mから2,000mにわたる丘陵地に集落が点在し、社会経済的に困難な状況におかれている少数民族が暮らしています。急斜面を耕した畑で、天水や湧き水頼みの伝統的な農業を細々と営む状況に加え、土壌流出による劣化、燃料を得るための山林伐採、水源の枯渇などの課題に直面していて、持続可能な農村生活が脅かされています。
アグロフォレストリーとは、「同じ土地で作物・家畜と樹木とを組み合わせて生産する土地利用法*」で、資源の利用と保護を同時に図ることから「森をまもる農業」などとも言われています。環境保全と農業を通じた所得向上を促進することで、住民が自然とともに持続的かつ安定した生活を営める環境づくりを支援します。具体的には、現地で「ウティス」と呼ばれる土壌流出の防止に役立つ木や、収入向上のためのレモンやコーヒーを植栽する他、農業用水の確保が特に困難な世帯を対象に、簡易貯水池の設置を支援する予定です。
なおこの活動は、(公社)国土緑化推進機構の「緑の基金」及び皆さまからのご寄付で実施する予定です。温かいご声援をどうぞよろしくお願いします。
※「国際協力用語集【第4版】」(国際開発ジャーナル社)より抜粋