子どもの頃の遊びに思いを馳せて ネパール事務所 奥田鹿恵子
もうい~くつ寝ると~お正月♪ですね。口ずさみながら、私も子どもの頃、この歌詞にあるような凧揚げやコマ回しをしたなぁと、ふと思い出しました。カルタや福笑い、羽根つきに竹馬などなど、皆さんはどんな遊びをしていたでしょうか。
ここネパールではビクラム暦を使用しており、新年は西暦の4月半ばに迎えます。また、民族ごとの新年もあります。なので、今のネパールは日本のような年末年始の雰囲気はないのですが、10月から11月にかけて祝われたダサインやティハールの際には、一年で最大のお祭りムードに包まれていました。街は買い物客で賑わい、交通機関は実家に帰る人で溢れ、国中がお祝いムード一色。村でも、子どもたちが恒例の凧揚げや大型ブランコを楽しむ姿が見られました。
竹と紐で作られたシンプルなブランコ。こんなに大きなブランコを見たのは、ネパールが初めてのことです。乗っている時に壊れないか、見ているだけでハラハラしていたのですが、今となっては日本にはなくなってしまったのかもしれない素朴で懐かしい遊びがここには残っているのだと思え、なんだかホッと心が安らぐようになりました。例えば、「ケンケンパ」。地面に円を連ねて描き、その中を片足跳びと両足着地とを繰り返しながら進みます。
また、距離を競う石投げや、将棋に似た「バグ(トラ)チャル(動く)」、インド発祥のカロム(ビリヤードの様に、コインを四隅の穴に入れるゲーム)も、スタッフ(50代)が子ども時代に遊んでいたものだそうですが、今でも流行中といえます。ネパールに滞在して約3年になりますが、まだまだネパール伝統の遊びとの新しい出会いがあり、とても興味深く観察しています。
10月に終了した「幼稚園環境整備プロジェクト」(※)では、2015年の地震の被害を受けたカブレパランチョウク郡ロシ地区の幼稚園(全24園)に、なわとびやフラフープ、人形などを含む教材一式を配布しました。この地区の幼稚園には、日本にあるようなジャングルジムや雲梯(うんてい)といった遊具はもちろんなく、限られた教材しかありませんでした。そして、地震で多くの校舎が壊れ、モノも失われました。そんな状況の中届いた支援に、子どもも先生も大はしゃぎ!今は毎日笑顔一杯で楽しく過ごしています。
日本では、子どもたちが外で遊ぶ時間が減っているとのこと。鬼ごっこやゴムとびより、テレビやパソコンのゲームの方が人気なのでしょうか。ネパールでも首都カトマンズ市ではスマートフォンが普及してきており、子どもたちが一生懸命になっていじっているのを見かけます。新しい機器に物珍しそうに食らいついている様子は、微笑ましい反面、少し複雑な気分にもさせられます。時代の潮流に押し流されず、昔ながらの娯楽も残していきたいものですね。
※フェリシモ基金「ネパール中部地震義援金」よりご支援いただきました。活動レポートはこちらから(同基金のファンドレポートサイトに移動します)。