ネパールの村の暮らし ネパール事業 業務調整員 松本 千穂

2013/01/07

ネパールから、Nayaa Barsa-ko Suva-Kaamanaa (新年明けましておめでとうございます)。
昨年11月に赴任した新米業務調整員の私には、まだまだ目に映る全てが新鮮に見えます。特に、昔ながらの生活をしている村には興味深いものがたくさん。今日はそんな村の様子を少しご紹介します。

ネパールといえばエベレストに代表される高い山々のイメージが強いですが、ネパールの中でもインドと国境を接する地域には、タライと呼ばれる平地が広がっています。私たちがプロジェクトを実施している村々は、そのタライ平原の中にあります。

初めて村での保健教室を見に行った時のこと(写真①)。母親グループのメンバーに紙芝居で教育する講師役のお母さんの一生懸命さに感心しつつも、私は後ろの家の屋根が気になります(写真②)。家々の屋根に生い茂る植物…。よく見ると、冬瓜のようなウリ科の野菜が生っているではいるではありませんか。庭ではなく、屋根の上にツタをはわせて育てるのがタライ風。中にはスイカ以上に大きく重くなった実のせいで、屋根が凹んでいる家もあります。簡素なつくりの屋根が抜けたりしないかとちょっと心配ですが、日当たりは最高(写真③)。そのうえ、家畜が食べてしまうことも防げますから、屋上栽培は合理的かもしれません。それに、日本で夏場によく見かける「緑のカーテン」同様に、強い日差しを和らげる効果も期待できるかも??

さて、屋根から地上に目を移すと、そこには不思議な泥の建造物が(写真④)!好奇心に駆られて中を覗き込む私を村のお母さんたちが笑っていました…。小さな窓の奥にいたのは、ハト。泥でできたハト小屋でした。中には飼い主の自宅と合体した小屋も。もちろん、ハトはペットではなく食用。タライ地方の人たちはハトをよく食べるそうです。それにしても、なかなか立派なハト小屋です。これだけ大事にされれば、たとえ最終的に美味しく頂かれてしまっても、ハトも本望でしょうかね…。

ハトに限らず、タライの人々は家畜や家禽を大事にしているように感じます。牛や水牛のためには、わざわざ大きなエサ皿がセメントで作ってあります(写真⑤)。この中に稲ワラを中心に米ぬか、トウモロコシ粉などを混ぜた飼料を入れて食べさせているそうです。同じネパールでも、丘陵地帯に住むタマン族の村を訪れたときには、地面の上に直接草や葉のついた木の枝を積んで、食べさせていました。私が以前住んでいたアフリカの国でも、こんな専用皿を見たことがなかったので、些細な違いですが何だか新鮮でした。

ほんの少しですが、タライ地方の村の暮らしを感じていただけたでしょうか?この大きなエサ皿並みに、目を皿にして、またネパールのチョット変わった文化や習慣を見つけてきます。次のご報告を、請うご期待!!

写真①-村の女性たち
①-村の女性たち
③-葉っぱに覆われた家
②-葉っぱに覆われた家
②-村の家
③-村の家
④-ハト小屋
④-ハト小屋
牛
⑤-村の牛