市民マラソンの楽しみ-そうじゃ吉備路マラソンでのチャリティ・ラン
どうしてそんな話しになったのか誰も覚えていない。 しかし、ランナーが二人集まればその筋の話しになるのは必然だったのかもしれない。 昨年11月に行われた国際保健医療学会の懇親会の席で、高杉先生は来年の吉備路マラソンに出ると言い、それならとチャリティ・ランを紹介したのだった。 高杉先生の動きは早かった。半ば先生に押される形で我々は団体登録し、ウェブサイトの使い方を学びながらハイペースの先生に何とか付いて行ったという呈だ。先生の人徳に助けられ、チャレンジを応援してくれる人は増えた。今日現在延べ27人、12万円を超える応援が寄せられている。 MINDSからは、早々に参加を宣言し、触れ回っていた私、最後までどうしようかと迷い、ファミリーマラソンでグループ中最後の登録者となったY親子、それに静かにとっととフルマラソンに登録していたT氏の3組が参加した。 集合場所である高杉こどもクリニックを目指し、我々のある者は前日、ある者は競技開始直前に向かい、グループの証であるTシャツを受け取り、ゼッケンを付けた。クリニックはグループの休憩所となり、クリニックの女性陣はAMDA有機米(野土路農場産)を使ったカレーをふるまい、駐車場は私設の給水所となったのだった。子どもたちもミネラルウォーターの入ったカップを運び、フルーツを差し出し、ランナーに向かい、「あめどうじょー。」ときには何を思ったか「あめちょうだーい。」と声を張り上げ、手伝った。T氏の息子は父親が行った国々の国旗をあしらった旗を作り、我々の涙を誘った。その中になぜか行っていないはずのスイスの国旗があったことは不問に付す。 何より感心したのは、市民ランナーと呼ばれる人たちのマナーの良さだった。彼らは私設給水所で水の入ったカップを受け取り飲み干すと、テレビの映像のようにカーンと投げ捨てたりは絶対にしない。多くがしばらく持ち歩き(走り)、「(空いたカップを)もらいますよ。」と言うと、「ありがとう。」「あ、すみません。」やむを得ず放るときも「すみませーん。」と断る。 パイナップルに「うまーい!」と声を上げ、立ち止まって「いただきまーす。」とたこ焼きを食べ、子どもが出したマシュマロに内ポケットから苦労して50円を出して「おいしかったから。」と置いていった。走るより、こちらに病みつきになる恐れを抱いた。 我々はそれぞれ完走した。フルマラソン初参加の高杉先生が立派なタイムで完走したことは言うまでもない。 そして私は知った。 5kmではランナーズ・ハイが来ないことを。 |