美味しい魚とキノコをザンビアの人々へ 青年海外協力隊 平野耕志
みなさん!ムチュワニ?(現地のロジ語で「How are you?」)日本はカキ氷や冷たいドリンクが恋しい暑い夏を迎えていると思います。ザンビアでは3月から乾季に入り、雨季の草原に暮らしていた緑色のカメレオンも、カラカラに乾燥したサバンナでは茶色に衣替えをしています。
昨年の3月から青年海外協力隊、村落開発普及員としてザンビアの首都ルサカ市で活動している平野耕志です。ここでの生活も1年4か月が経ちました。時間の流れもゆったりしたザンビアですが、2年という任期の中で、確かに進んでいる時間に私の活動もそろそろ集約していく重要な時期になってきました。配属先のコミュニティセンターのスタッフ一同、今日も変わらず冗談を言い合いながら楽しく仕事をしています。
センターの活発化を計るために昨年12月から試験的に行ってきた、キノコ栽培とティラピア(ザンビアで一般的に消費されている淡水魚)の養殖も最初のシーズンが終わりました。
キノコ栽培はセンターの建物の一角を利用して行い、保健センターに配属する保健ボランティアさんにも協力して頂いて110個のキノコを培養するバックが出来ました。課題であった販路の開拓も毎週5キロほどのキノコを住民に販売していますが、「お肉みたいだ!こんな美味しいキノコは食べたことがない!」と住民からも高評価です。今月7月になってからは注文の山が・・・生産量が全然足りていない状況です。老若男女関係なしに行える収益率の高いビジネスとして今後も引き続き展開していく予定です。
ティラピアの養殖は農業用の貯水池を利用して行いました。生育期間が6ヶ月と少し時間はかかりますが、川や湖がないルサカ市では新鮮な魚を供給することは難しく、養殖事業の需要は非常に高いです。150匹購入した稚魚ですが、収穫時には580匹になっていました。孵化された魚が多くなりすぎてしまったことから、生育環境が悪化し、小さな魚が増えてしまいましたが、総重量は予想を超え、センターのスタッフの能力でも管理できることや、センターの貯水池と地下水が養殖にも利用できる資源であることを実証することが出来ました。今後はセンタースタッフと養殖をどのように展開していくかをより深く話し合っていくことになりそうです。
今回収穫された魚は保健センターでのボランティア活動の意欲を高めるために同じ地域の保健ボランティアへ寄付させていただきました。またセンターでも料理教室を住民向けに開催し、魚の調理方法を学んだあと、新鮮で美味しい魚を食べて頂くことが出来ました。
住民に有益的に利用して頂くことや保健センターの運営サポートを行うことがセンターのこの地域においての役割です。もちろん利益的なビジネス展開は必要なことですが、住民側にとっても必要とされるセンターを目指して引き続きスタッフ一同力を合わせて頑張っていきます。
毎日たくさんの人と話をして、スタッフとは些細なことでよく喧嘩して、気がついたらまた笑い合いながら大地に向かって鍬を振る毎日。今では何気ない一日ですが、笑顔あふれる日々を送っています。
ここで少しでもたくさんの人に、形だけではなく心に残るものを伝えようと挑戦してきましたが、住民やセンタースタッフに与えること以上に、皆さんが私に色々なことを与えてくれています。生活の仕方や物事の価値観の捉え方、人との関わり方等、学び合いの中にも国際協力の醍醐味があります。
引き続き、コミュニティセンターのスタッフ、地域の方々と学び合って活動を進めていきますので、応援よろしくお願いします。
キノコ栽培事業、養殖事業はおかやまコープ様より頂戴したAMDA基金を活用して実施いたしました。センタースタッフ、コミュニティの住民に代わり、厚く御礼申し上げます。