ジャカルタの「AKB」と魅惑の市場散策
海外事業運営本部 梶田未央
皆さんこんにちは、アパ カバール(お元気ですか)?インドネシアに長期出張中の梶田です。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年に日本に戻ったのち、約2年ぶりにジャカルタの街を堪能しています。
インドネシアでは観光ビザの発給も再開され、11月のG20首脳会談に先立ち、この7月にはバリ島で外相会合が開催されるなど、外国人の入国制限が緩和されつつあります。国民の生活もAKB(Adaptasi Kebiasaan Baru:インドネシア語でニューノーマルの意味)を合言葉に、withコロナの暮らしが日常になってきています。AKB下では、マスクの着用やせっけんでの手洗いなど日本でもおなじみのルールの他、「挨拶のときは握手なしで」という、握手するのが丁寧なご挨拶という国ならではの注意事項もあります。
日本とは違うなと思うのは、スマホにインストールするPeduliLindugi(プドゥリリンドンギ)という政府開発の健康管理アプリでの感染対策が徹底されていることです。このアプリには、ワクチン接種情報や感染の有無、PCR検査結果などの個人情報が反映されていて、各施設の入り口に設置されたQRコードをアプリでスキャンし、規定を満たしていると判断されれば入館が許可される仕組みになっています。
また、ブースター接種も盛んに奨励されているので、私もジャカルタでワクチンを打ってもらいました。アプリで簡単に予約、本人確認ができて、拍子抜けするほどスムーズに接種することができました。お医者さんが「針がこんなに細いんだから痛くないよー、すぐ終わるよー」と言いながら注射してくれたのは、怖がりな人が多いインドネシアだからでしょうか。
さて、ブースター接種もし、アプリも設定、マスクもしっかり着用したところで、久しぶりに街歩きに出掛けました。目的地はジャカルタ北部、グロドック地区の中華街です。
人口2億7,910万人の約9割がイスラム教徒と、世界最多のイスラム人口を抱えるインドネシアですが、華僑と呼ばれる中国をルーツとする人々が300万人以上もいるそうです。その多くが暮らし、商いをしているのが各都市にある中華街。これまで中華料理屋さんやお寺は何度か訪れたことがあるのですが、今回は初めて市場に足を踏み入れてみました。
店先に豚肉がつるされ、亀肉や蛇肉を食べさせる屋台もあるなど、見慣れたはずのインドネシアとは思えないような光景に、入り口から圧倒されます。お菓子の量り売り、漢方薬局、台所用品など、様々なお店が軒を連ねる中、椅子の脚やパイプ用のゴムキャップだけを売るお店や、あらゆる種類のリモコンを並べるお店などなど、今のわたしには必要ないけれどきっと誰かが探し求めている何かがひしめく、そんな不思議な空間です。
そして、歩き疲れたらコーヒーショップで一休みしながら、昼寝するネコを構うのも楽しみの一つです。「国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱いかたを見ればわかる」とは、かのマハトマ・ガンジーが言ったとか、言わなかったとか。確かに、道端のネコたちが人を怖がりもせずのんびりしている姿を見ていると、この地域の人々の生活の余裕と穏やかな気質を感じます。
ヤシの木が揺れるビーチ、オランウータンが住むジャングルなど、インドネシアには見どころがたくさんありますが、熱気渦巻く市場の散策もお勧めですよ。
海外事業運営本部 プログラムコーディネーター
大学生の時、アムダ(AMDA-MINDSの前身)のインターンとして、スリランカで医療和平プロジェクトに参加。初めての海外に興奮。異国の人々と共に手を取り合い、課題解決に立ち向かう仕事に魅了され、国際協力の道へ。大学卒業後、2005年にアムダ国内事業部入職。以降、ベトナムやインドネシアでプロジェクトに従事。趣味は、読書と日曜大工、ときどきシュノーケリング。岡山でのお気に入りスポットは、空港近くの源泉かけ流し温泉。お湯はずっと浸かっていられる、ぬるめが好み。岡山県出身。
現地からの活動報告やイベント予定などを、公式SNSやメールマガジンでも配信しています。メールマガジンでは、他では公開していないオリジナルコンテンツ「スタッフのひとりごと」もお楽しみいただけます。