理事長ブログ「うみがめ便り~雨季のシエラレオネで晴れの国を想う」

2022/08/18

うみがめは日本の猛暑、酷暑を逃れ、西アフリカにある雨季のシエラレオネにたどり着いている。かつてポルトガル人により胡椒海岸(Costa da Pimenta)と呼ばれた海が目の前にある。
 

かつて胡椒海岸と呼ばれた海と、首都フリータウンの街並み。雨季にはまれな快晴の日は気持ちよいが…(2022年7月30日撮影)

 
滞在地のフリータウンは、東京と同じ北半球に属すが、緯度約8.5度の地点に位置し、赤道からは直線距離で約900キロと、それほど離れてはいない。東京の緯度は約35.7度であるから、感覚的には、避暑のために(より赤道に近い)西アフリカに来るというのはおかしな話である。もっとも、私は避暑目的にこの地を訪れているわけではないため、このパラドックスは結果論に過ぎない。
 
旅行サイトWhere&When Netによると、東京の8月の平均気温は27~32度であるのに対し、フリータウンは24~28度であり、夜中に肌寒さを感じて目が覚めることもある。これだけの情報なら、暑い都会を離れて、北海道に出掛けた程度に想像されるかも知れない。
しかし、次の情報を目にすると、避暑というひと言では済まされない状況であることが、お分かりいただけると思う。降雨量(898㎜対93㎜)、降雨日(25日対5日)、湿度(91%対83%)。前者がフリータウンで後者が東京の数字である。決して暑くはないものの、ほぼ毎日雨が降り、頻繁に屋根の隙間から雨水が入り込み、天井から何か所も水滴が滴るほどの豪雨に見舞われる。
 
雨の日に前の写真と同じ方向から撮影したもの。綺麗な胡椒海岸も街並みも見えない(2022年8月14日撮影)

 
部屋干しにした洗濯物は3日以内に乾くことはない。靴やベルト、ソファなど、革製のものにはすぐにカビが生え、それが時にカバンやズボンなどにも移ることは日常茶飯事であり、恐怖でもある。封筒に入れ、スーツケースの中に保管している新札紙幣などもたっぷり水分を吸収する。まれにめぐってくる天気の良い日に一枚一枚干さなければ一大事である。
 
タンスやクローゼットは常に開け放しにしておかなければ、衣服がカビの餌食となる。一度乾いたと思ってタンスの中に入れておいた下着を再び着ようとしたとき、しっとりと湿っているその不快さ、不気味さは、梅雨時の日本でも味わうことはない。
 
瀬戸内海に面し、気候が穏やかで降水量の少ない岡山をベースにして22年が経過したうみがめにとって、昨年、今年と、上述したような状況の雨季が約4か月間続く生活は、少々つらく感じる。「晴れの国おかやま」が羨ましく、また愛おしくてならない。
 
もっとも、この地では、雨は我々に水を与え、大地を豊かにするから悪くないとし、むしろ気温が低下するこの季節を好む人も少なくない。「晴れの国」を体験させてあげたいと思う、今日この頃である。
 
 

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