2年間の活動を終えて~マダガスカルにおける環境保全と生計向上の取り組み
マダガスカルの首都アンタナナリボ(通称タナ)もあり、人口の半分近くが集中する中央高地。タナから車で1時間半ほどの場所にあるツィアファヒ・コミューンで、2年にわたり実施してきた「環境保全を通じた持続可能な生計向上プロジェクト」が終了しました。
川の流域の田畑を保護するために植林した苗木は1万本以上にのぼるほか、農業研修受講者の約7割が「研修受講前より収量が増えた」「次シーズンの種を確保できた」「マーケットに出荷する量が増えた」など、プロジェクトの効果を実感してくれています。
ところがこのプロジェクトに参加して驚いたよ。同じ5パック分の種で、120パック分も収穫できたんだ。研修で教えてもらった堆肥や有機殺虫剤は、すぐ手に入るものだけで作れたから、化学肥料も殺虫剤も買う必要がなかったんだ。
収穫量が増えた分、実入りもよくなって、少しぜいたくな食事をとれるようになったし、ちょっとばかしだが貯金もできた。近い将来、自分の農地を増やせたらなぁと夢見ているよ。
「マダガスカル」と聞けば、バオバブの木やワオキツネザルなど、豊かな自然をイメージされる方も少なくありませんが、その実、無計画な森林伐採による土壌劣化と耕作地の減少という深刻な環境問題に直面している上、76%もの国民が貧困層とされる後発開発途上国です。
プロジェクトを実施したツィアファヒ・コミューンは、中央高地の中でも森林伐採による土壌の劣化が激しく、ほぼ唯一の生計手段である農業の持続性が脅かされていました。
このプロジェクトを実施するにあたって、パートナーである現地NGOのCEMES(セメス)、日本から農業技術指導に赴いてくださった農業専門家の平野耕志(ひらのこうし)さん、そして活動経費を助成して下さったトヨタ環境助成プログラム事務局の皆さまと共にした想いは「地域の人々が、自ら気づき、学びを実践する過程に寄り添い、支えること」です。
ツィアファヒ・コミューンに豊かな大地を取り戻すのは、まだ少し先のことかもしれませんが、アムダマインズは、これからも人々の想いに寄り添い続けたいと思います。
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