ホンジュラス「母子継続ケア強化事業」が2年目に
中米ホンジュラスで実施中の母子継続ケアを強化するプロジェクトが、2年目を迎えました。
対象地域は、フランシスコ・モラサン県の中でも特に開発の遅れているレイトカ市とクラレン市。
首都テグシガルパから南へ約90km、車でおよそ3時間の場所に位置しています。
この地域では、公的保健医療サービスの質が十分でないことに加え、健康に関する知識も広く行き渡っていないため、母子の健康を維持することが難しい状況にあります。
そこで私たちは、こうした状況を改善するため、日本NGO連携無償資金協力事業として、母子の継続的なケアを強化する取り組みを行っています。
1年目には、地域の保健所に必要な機材を提供したり、医療従事者向けに超音波検査や母子手帳に関する研修を実施したり、妊婦向けに栄養教育を行ったりしました。
これにより、対象地域で母子の継続ケアが行われるようになるための基盤を築くことができました。

3月から始まった2年目の事業では、母子継続ケアのさらなる強化を目指しています。
活動は大きく分けて「公的保健医療サービスの向上」と「母子の健康に関する知識の向上」の2つ。母子保健サービスを提供する側と受ける側の双方にアプローチします。
「公的保健医療サービスの向上」では、遠隔地にある保健所の施設改修などのハード面での支援に加え、保健所スタッフや保健ボランティアの研修など、ソフト面での支援も行います。
例えば、レイトカ市の山間部にあるサン・カルロス保健所は、地盤の弱い土地に建てられているため壁や床にひびが入り、屋根も壊れ、利用者が安全にサービスを受けられる状況ではありませんでした。そこで、地中に擁壁を設置して地盤を強化し、ホンジュラス政府の基準に沿った建物になるよう改修工事を進めています。
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保健所裏側の斜面に擁壁を設置しています -
ひび割れの多かった壁を補修中
「母子の健康に関する知識の向上」では、1年目から行っている出産前の親を対象にした両親学級に加え、2年目からは2歳未満の子どもとその親を対象にした「子どもクラブ」を実施しています。
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子どもクラブで乳幼児の心身の成長と変化について話す事業スタッフ -
調理実習で作ったミルク粥。砂糖なしで、シナモンとレーズンを効かせてヘルシーに
このクラブでは、事業で作成した母子手帳を使いながら、身体測定の結果を記録して子どもの成長を確認したり、調理実習や知育玩具の作成などを通じて育児のコツを学んだりすることができます。
これにより、妊娠中から出産後、子どもが2歳になるまでの間を切れ目なくケアすることができるようになります。
今年は、日本とホンジュラスの外交関係樹立90周年という記念すべき年でもあります。この事業も90周年事業として認定され、さらに大きな責任と同時にやりがいを感じています。
一人でも多くのお母さんと子どもが健康に暮らせるよう、活動を進めていきます。これからもご支援をよろしくお願いいたします。
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