学びを止めないために−支援がつなぐミャンマーの子どもたちの未来
ミャンマー事務所 南條昌康
昨年12月、私たちはミャンマー中部・マンダレー地域のメティラ郡にある3つの村(ボンスーカン村、スッキンパウッ村、サンピャ村)で、小学生へ文房具セットを届けました。一般社団法人ウェイクナーズからのご支援によるものです。

これらの農村部では、物価の高騰や不安定な収入により、日々の生活だけで精一杯という家庭が少なくありません。そんな厳しい状況にあっても、親たちは「学びだけは止めて欲しくない」という思いで、懸命に子どもたちを学校へ送り出しています。
しかし現実には、ノートや鉛筆ですら十分にそろえることができず、先生が自費で文房具を用意したり、1冊のノートを何教科も使い回したりする状況が続いていました。現地スタッフが教育関係者からの切実な要望を聞き、今回は特に支援が必要な3つの小学校を選び、184名の児童一人ひとりに、ノート、鉛筆、消しゴム、定規、スクールバッグなど、毎日の学びに欠かせない文房具一式を手渡しました。加えて、各小学校から要望のあった教材や音響機器、戸棚などの備品の整備も行いました。

一人ひとりに文房具セットを手渡します 
鉛筆を受け取って喜ぶ子どもたち
文房具を受け取った子どもたちは、笑顔とともに、将来の夢を語ってくれました。「先生になりたい」「医者になりたい」「エンジニアになりたい」。こうした言葉の一つひとつが、教育の持つ確かな力を教えてくれました。また、一冊のノート、一本の鉛筆が、「学び続けていいんだ」という安心感と希望を子どもたちに与えているのだと、強く感じました。
喜んでくれたのは、子どもたちだけではありません。スッキンパウッ小学校の校長先生は、「子どもたちの喜ぶ顔を見られて、私たち教師も本当に救われました」と語ってくれました。この支援が、現場でがんばる先生方の支えにもなっていることを知りました。
ミャンマーは依然として厳しい状況が続いています。国際情勢が大きく動く中、世界からミャンマーへの関心が離れがちな今だからこそ、私たちは、この瞬間を懸命に生きる人々の隣に寄り添っていたいと考えています。大きな主語で語られる議論の影で、今日食べるものに困り、文房具を持てない子どもたちが確かに存在しているからです。
未来への投資とは特別なことではなく、学びを止めない環境を整えることだと思います。その積み重ねこそが、子どもたち自身の力で未来を切り拓く土台になるのだと改めて実感しました。
支援を待つ子どもたちは、まだ大勢います。一人でも多くの子どもに「学び続けられる明日」を届けるために、これからも活動を続けていく必要があると思いを新たにしています。

ミャンマー事務所 事業統括
アメリカ留学を経て、日本財団の姉妹財団である東京財団に入所。その後、民間企業、国会議員秘書などを経て、ミャンマーへ渡航。現地企業で約5年間、主にミャンマーに進出する日系企業のサポート業務に従事。2023年2月より現職。ミャンマー語をもっと勉強しなくてはいけないというプレッシャーから逃げるかのように、好きな映画の動画配信で余暇を過ごす日々。静岡市出身。

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