NGO相談員は「未来へのコンシェルジュ」
海外事業運営本部長 白幡利雄

2026/03/16

「国際協力の分野で働くには、どんな進路を選べばいいのでしょうか」
「興味はあるけれど、何から始めればいいかわからない」

 

そんな疑問や迷いを持つ方々と、国際協力の世界とをつなぐ窓口が「NGO相談員」です。外務省からの委嘱を受け、アムダマインズが実施しているこの制度は、いわば国際協力のコンシェルジュ(水先案内人)。日々、多様な問い合わせに耳を傾けています。今回は、最近の相談対応の中から、いくつかの事例をご紹介します。

 
多様なバックグラウンドこそが求められる時代

「国際協力分野で働く」=「特別な資格が必要」と思われがちですが、そんなことはありません。実のところ、社会で培われたさまざまな経験や専門性こそが求められています。先日、行政職員として経験を積まれた方から「今のスキルをどう活かせるか」という相談を受けました。自治体での地域振興や制度運用のノウハウは、非常に貴重なものです。まず、そのことを伝えた上で、行政経験者が活躍できる具体的なフィールドや応募可能なポストについての情報を提供しました。また、建設業界の専門知識を持つ方からは、「海外ボランティアに短期で参加したい」という相談がありました。インフラ整備や建築技術は、開発途上国のQOL(生活の質)の向上に直結します。人材募集情報のWEB上での検索方法を紹介し、さらに技術の活かし方についても可能な範囲でアドバイスしました。

  • 広島国際会議場で開催された「国際フェスタ2025」にて開設したNGO相談員ブースにて(2025年11月)
    広島国際会議場で開催された「国際フェスタ2025」にて開設したNGO相談員ブースにて(2025年11月)
  • グローバルフェスタジャパンのNGO相談員ブースにてキャリア相談に対応(2025年9月)
    グローバルフェスタジャパンのNGO相談員ブースにてキャリア相談に対応(2025年9月)

若者の熱意、地方から世界へと広がるキャリア

講義や講演会で学校教育の現場を訪れると、次世代を担う若者の力強い熱量に圧倒されます。つい先日も、高校3年生の生徒さんから、「将来国際協力の分野で仕事を得るために、大学で何を学ぶべきか」という切実な相談を受けました。語学や国際関係学といった選択肢だけでなく、保健・農業・ITなど、国際協力の現場で必要とされる専門性と、自分自身の興味や関心とを掛け合わせて考えることが重要ということにつき、私自身の経験を交えて回答しました。また近年、興味深いなと感じるのは、場所に縛られないキャリアの描き方をされる方が増えているということです。例えば、「現在東京在住だが、将来は広島や岡山で国際協力の仕事に就きたい」という、地方移住を具体的に見据えた相談が寄せられることもあります。アムダマインズは岡山に本部を置く団体として、地方に拠点をもつNGOだからこそ実現できる「地域に根差し、世界とつながる働き方」につき、リアルな情報を提供することができています。

  • 第一学院高等学校岡山キャンパスの文化祭「メイプルフェス」にて開設したNGO相談員ブースにて(2025年11月)
    第一学院高等学校岡山キャンパスの文化祭「メイプルフェス」にて開設したNGO相談員ブースにて(2025年11月)
  • オンラインでもご相談に対応しています
    オンラインでもご相談に対応しています(2026年1月)

NGO相談員の役割

SNSなどのソーシャルメディア上には、国際協力に関する華やかな活動報告から厳しい現実まで、さまざまな情報があふれています。それらに触れることで「自分には無理かも」と感じてしまう方がいるかもしれません。しかし、今回紹介した例のように、国際協力への入り口は公務員、技術職、学生、移住希望者に限らず、驚くほど多様です。NGO相談員の役割は、多岐にわたる情報の断片をつなぎ合わせ、一人ひとりのニーズやライフステージに合った「次の一歩」を具体化するためのお手伝いをすることにあります。

 

あなたの持っているスキルや、これから学ぼうとしていることは、必ず世界の誰かの笑顔につながる可能性を秘めています。もし、心のどこかに「世界と関わりたい」という思いがあるなら、ぜひNGO相談員を活用してください。アムダマインズは、いつでも門戸を広げてお待ちしています。

 
 

この記事を書いたのは
白幡 利雄(しらはた としお)
海外事業運営本部長


学生時代に手話を学んだこと、NGOの存在を知ったことをきっかけに、世界をより良く変えることを一生の仕事にしたいと決意。教育学修士号取得後、日本の国際協力NGOに就職。約21年間、東京事務所で海外事業全体のコーディネーションを担当した他、バングラデシュとネパールに事務所長として駐在。2014年にアムダマインズ入職。2020年から現職。夫婦揃ってスパイスの効いた料理が大好き。岡山駅からの徒歩圏内だけでもインド・ネパール料理屋が10軒以上あることに最近気づき、驚いています。東京都出身。

 
 


 
 

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