3月8日は「国際女性の日」 ― ネパールの現場から ―
2015/03/06
みなさん、ナマステ。
私は今、ネパールに出張中です。丘陵地で実施している事業のモニタリングに来ており、MINDS登山部の新たな冒険記事を書きたいところなのですが、今回は、3月8日の「国際女性の日」に寄せて、ネパールの女性たちについて書いてみたいと思います。
「国際女性の日」は、1975年の国連総会決議において定められました。女性の権利、また世界の平和や国・地域の発展を目指す上での女性の役割を考える日として、ネパールでは国民の休日とされています。そこで、丘陵地に住むタマン族(ネパールの少数民族)のおばちゃんたちに、「3月8日はお休みだけど、何の日か知ってる?」と聞いてみたところ、全員が「さあ~?知らないわ」とのこと。「女性の日なんだよ」と言うと、「女性の日でお休みって言ったって、私たちには一年中休みなんかないんだから関係ないわよ~」と笑われました。
そう。村の女性たちの生活は、本当に大変なのです。
朝はまだ暗いうちから起き、昨晩の食器や鍋を洗い、家畜のえさをこしらえ、水を汲みに行き、家族が起き出した頃に朝ごはんの準備をし、家の掃除をし、家畜用の草を刈りに行き、えさをやり、昼ごはんの準備をし、畑仕事や内職(竹やわらを編んだり、地酒を仕込んだり)をし、夕食用の野菜を採り、そして夕食の支度をし、誰よりも遅く寝床に入る。まったく、いつ休んでいるのかと思います。そして、これが一年中、毎日続くのですから、その大変さたるや私には想像もできません。
それでも、おばちゃんたちはこう言います。「泣いていても笑っていても、やらなきゃいけないことは同じなんだから、笑って暮らしていた方が楽しいわよね。」
彼女たちのこのたくましさ、私なぞ足元にも及ばない、と心からそう思います。
一方で、大変なのは村のおばちゃんたちばかりではありません。
一日の計画停電時間が11時間もある上、ガソリンやプロパンガスの販売も規制されているネパール。当団体のカトマンズ事務所では、新しいガス一本を入手するのに3週間以上を要しました。そんな中、カトマンズ事務所統括の自宅では、蓄電装置(電気があるうちに蓄電しておき停電時に明かりを確保する装置)が壊れ、調理用のガスがなくなりました。更に、このところ悪天候が続いたためシャワーのお湯が出ず(太陽光で水を温めるのです)、運悪く彼女の財布の中には500ルピー(500円)しかない。外は冷たい雨が降り、暗闇の中小さな懐中電灯だけをたよりに空腹を抱えてベッドに入るしか術がない彼女のことを思うと、その大変さたるや私には想像もできません。それでも、松本統括は笑ってこう言います。「事務所でスタッフがお昼をたらふく食べさせてくれるので、夜はそんなに必要ないの。お湯シャワーを浴びられないのだけはつらいけれどね。」
場所や環境は異なっても、ネパールで生きている女性たちは本当にたくましい。そして、そんな状況でも笑顔でいる彼女たちはとても美しいと、心からそう思います。
3月8日の国際女性の日には、どうか、それぞれに奮闘しているネパールの彼女たちに想いを馳せ、AMDA-MINDSの活動を末永く応援してくだされば、と思います。
(本部ネパール事業担当 小林麻衣子)
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