天使の谷のラスタとププーサ 本部職員 村上久子

2015/03/31
ホンジュラスの首都テグシガルパ市から車で約30分のところにある天使の谷(スペイン語でバジェ・デ・アンヘルValle de Angeles 、英語でValley of Angels)は、スペインの植民地時代を髣髴とさせるカラフルで平和な小さな町です。近年の人口増加と治安の悪化がすすむテグシガルパで緊張した生活を強いられている地元の人々にとって、ここは車やバスで手軽に行ける観光地です。

ホンジュラスでお土産を買うならバジェ・デ・アンヘルだね、と事務所スタッフに聞いてやってきたのですが、テグシガルパの喧騒を離れ、美しい緑が広がる景色にうっとりしているうちに、素敵なたたずまいの町に到着しました。バジェ・デ・アンヘルには多くのお土産屋さんが並んでいます。町の入り口のところで、ドレッドのロングヘアをなびかせたいわゆるラスタ(ジャマイカの黒人民族主義者マーカス・ガーベイに端を発するラスタファリ運動からきている。一般的には、レゲエの神様ボブ・マーリースタイルのこと)の若者が歩道の脇に布を広げて、アクセサリーを売っていました。早速、案内役を買って出てくれた古参のスタッフ(話し好き)が話を始めました。彼らは、観光客相手に自作のアクセサリーを売る仕事をしているようです。ビーズを使ったみごとなクラフトワークに魅了されて買ってしまった腕輪を早速身につけて、ゆっくりと天使の町の散策に出かけました。

町は大勢の観光客であふれ、クラフトの店が立ち並ぶ風景はのどかな田舎の観光地という風情です。伝統工芸を展示した博物館や本格的な美術作品を飾った美術館もありました。コーヒー豆を売る店からは、試飲用にいれたコーヒーのいい香りがただよってレストランの店の前では、なにかを焼くいい匂いがしてきました。
案内してくれたスタッフがすすめてくれたププーサは、チーズとトウモロコシの粉を練りこんで焼いたものだそうで、キャベツなど野菜の千切りをのせて食べます。
新鮮なジュースと焼きたてのププーサ、そして町を行きかう人々の楽しそうな笑い声・・・天使の谷での緩やかで平和な時間がゆっくりと過ぎて行きました。

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アクセサリーを売っている若者
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町中のクラフト店
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美術館
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新鮮なジュースと焼きたてのププーサ