世界保健デーに寄せて 海外事業部 田中一弘
4月7日は世界保健デーです。1948年の世界保健機関(WHO)の設立日にちなんで設定されたものだそうです。保健というテーマでは、プライマリーヘルスケア、グローバルヘルスなどなどの横文字のものが多くて一般的には分かりにくいこともあるかもしれません。そして、今は、「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」という新しい言葉も出てきました。難しそうですが、要は、「みんなが大きな負担もなく、必要な保健サービスを受けられるようになること」を目指しましょうということです。
昨年度のNGO研究会(外務省のNGO活動環境整備支援)では、「UHCとNGO」がテーマの一つとして取り上げられました。そのまとめとしてハンドブックが作成され、当団体からも、ホンジュラスのコミュニティ薬局の活動について寄稿しました。その中で再認識したのは、「視点」の重要さです。その保健サービスは本当にみんなに届いているのか。サービスが届いていないのは誰なのか。それはなぜなのか。保健サービスを提供する側の視点に立つと、例えば70%ぐらいの人に届いていれば、それでよいと考えるかもしれません。ただ、地域の人たちの視点に立てば、実は本当にそのサービスを必要としているのは残りの30%の人たちなのかもしれません。その地域の人たちの視点に立って活動をできるのが、わたしたちNGOの強みなのだと思います。今後も、その視点を忘れず、活動を進めていきたいと思います。
写真:ホンジュラスのコミュニティ薬局とボランティア。地域の人たちが必要な研修を受けて保健ボランティアとなり、自分たちの村で薬局を運営。それにより、必要な医薬品へのアクセスが向上するというもの。