[リレーエッセイ]がんばろうネパール!6時間リレーマラソンで笑顔をネパールへ⑦高杉尚志さん
AMDA-MINDSでは、総社市の高杉こどもクリニックと合同チームを結成し、6時間リレーマラソンで震災後のネパールを応援することになりました。
これから毎週金曜日に、マラソンに参加するメンバーがネパールや今回のマラソンに対する思いをリレー形式でお伝えします。
第七走者(アンカー) 高杉尚志さん/高杉子どもクリニック
・岡山県総社市出身
・高校卒業後、坂本龍馬に憧れて高知へ
・2012年に妻と6人の子どもを連れて実家に戻り、総社市で高杉こどもクリニックを開院。「子どもの健康と幸せ」を実現する小児医療を実践中。
・ラン歴:3年半。開業して動かなくなると、さらに太ると思い、診療後に夜道を少しづつ走るようになりました。少し走れるようになると、目標が欲しくなり、2013年2月のそうじゃ吉備路マラソンで初マラソン完走し、今年サブ4を達成しました。現在の夢はヒマラヤのアンナプルナ100kmウルトラトレイルを走ることです。
現在、イギリスでラグビーW杯が開催されていて、われらJAPANは、一次リーグB組において、初戦で過去優勝2回の強豪南アフリカから大金星をあげ、スコットランドには敗れたものの、13日にはサモアにも完勝して8強に望みをつないでいます。元ラガーマンの私は、桜のジャージに身を包んだ日本代表の活躍をかなり興奮気味に、ものすごく感激し、同時にめちゃくちゃ誇らしく応援しています。それは、医学生時代にラグビー部に所属して、先輩、後輩そして同級生と一緒に、楕円球に情熱を傾けた時代があるからです。医学部のラグビー部ではありましたが、部員の体格、運動能力、性格、考え方など、それはそれは多様性に満ちた集団でした(ようは変わり者が多かったのです)。その多様性のあるメンバーが、One for All, All for Oneの文字通り力を合わせたときに奇跡のようなことがおこる事が何度かありました。
さて、今回はラグビーではなく6時間リレーマラソンですが、やはり同じ事、我々「がんばろう!ネパール」チームに、14名の多様性のある楽しみなメンバーが集まっています。多様性のあるメンバー皆が、One for All, All for Oneの精神で走って、大地震で復興途中のネパールの人々や戦禍で大変な人々にも力を届けられると信じて、襷を繋ぎたいと思います。
もちろん目一杯楽しんでとびきりの笑顔で走りますので、応援よろしくお願いします。
第六走者 玄馬誉士さん/AMDA-MINDS関係者
みなさんこんにちは。MINDSサポーターとして参加させて頂く玄馬と申します。AMDA-MINDSさんには大学生のときに国際協力について学ばせて頂くなど、大変お世話になり、それがご縁で今回参加させて頂くことになりました。
話は変わりますが、今年の5月に起きたネパール大地震に関して、まだ半年も経っていないにもかかわらず、多くの日本人の記憶から薄れてしまっているように感じます。私自身も、ネットで状況を調べる程度で、直接何かできているわけではありませんが、今回のマラソンを通じて、一人でも多くの方に関心持って頂きたいと思います。
第5走者の北口さんが、『当たり前のことが、実は恵まれている状態であることを実感する』と述べられていますが、大きな事件や災害の少ない岡山に住んでいると、私自身その当たり前に慣れてしまいがちになります。だからこそ、常に外に関心を持ち続け、『実は恵まれている状態』に対して常に感謝をし、その感謝を行動に移すことのできる私でありたいと思っています。こうした意気込みも込めて今回のリレーマラソンに臨んでいきたいと思います。
第五走者 北口浩史さん/高杉子どもクリニック関係者
・奈良県大和郡山市出身。
・倉敷市内の病院に勤務しています。早いもので岡山に来て、計5+7年になりました。
・ラン歴:2年半で、同級生が高杉こどもクリニックを開業したのを機に、チーム高杉に参加。大阪・高知・岡山在住の同級生と一緒に走るようになりました。最初は故障ばかりだったけれど、今では、フルマラソンも走れるようになりました。最近は、里山のトレイルがお気に入りで、ランニング生活を楽しんでいます。
歳を重ねる度に、自分の成長を実感する機会が減ってくる。そんななか、走ることは、自分を少しずつ成長した気にさせてくれる。最近は第3走者の田中さんと同様、自然の中を走るのが面白いと感じていて、お気に入りのコースの「走れる登り」を少しずつ増やしていくことが、ささやかな楽しみである。
仕事柄、自分の足で立つ、歩く、走れることは、当たり前のようで、実は恵まれている状態であると実感する。誰もが「当たり前」の状態を失って、その価値を知る。原因疾患に対して、医療、看護、リハビリ・福祉・行政・家族、個々のパートの出来る事はわずかであるが、それぞれを繋ぐことで、初めて本人の生活環境を調整でき、アウトカムが良くなる可能性が出てくる。
チーム高杉に参加して、第1走者の小林さん親子やAMDA-MINDSのスタッフと出会った。ネパール地震の直後に現地に赴き、住民の生活復興に奔走されている事を知った。自分の一歩が、襷を繋ぐ事が、ネパールの人たちの「当たり前」を取り戻す、という大きな目標に少しでも役立てるように頑張りたい。
第四走者 西野義崇/AMDA-MINDSスタッフ
・富山県富山市出身
・バイオ関連会社に勤務の後、開発経済学と国際保健学を学ぶ。バングラデシュでのインターンをはじめ、インドネシア、ネパール、ザンビアなどを訪問。2013年よりAMDA-MINDSに加わり、シエラレオネ駐在を経て、現在、岡山本部にてインドネシア事業担当兼シエラレオネ事業保健情報分析専門家。
・ラン歴:ほんの少し
第三走者 田中のもとで働いている西野と申します。かつては仲間からハーフマラソンや駅伝の大会に誘われ、よく走っていたのですが、シエラレオネ駐在中は熱い日差しのもとを出歩くのが億劫になり、それ以来、すっかり運動不足になってしまいました。これを機に運動を再開しよう、と思った矢先、腰を痛めてしまい、リレーマラソンの出場が危ぶまれています…。さて、晴れて出場なるでしょうか?
ネパールは2009年に訪れたことがあります。埃っぽいカトマンズ市内の道路、一方、ヒマラヤの麓、美しい風景の中で農作業に勤しむ人や、道端で遊ぶ子供たちの姿が心を和ませてくれるナガルコット、独特な建築が魅力的なパタンの旧王宮、ネパール仏教の聖地 スワヤンブナート寺院などを訪れました。どこも今年4月の震災によって大きな被害を受けています。岡山から、ネパールの人々に想いが伝わるよう、襷を繋ぎたいと思います。
第三走者 田中一弘/AMDA-MINDSスタッフ
・兵庫県尼崎市出身。2000年にAMDAで活動を始め15年。
アンゴラの駐在を経て、岡山の事務所でアジア、アフリカ、中南米の色んな国を担当してきました。
日本食の次に好きなのは、ネパールのダルバートとホンジュラスのトルティーヤです。
・ラン歴:8年ぐらい。
「走る」ことが生活の一部になっているのは、第2走者の木下さんと同じです。そして、私も、チーム高杉のみなさんと一緒に、そうじゃ吉備路マラソンを2回走らせてもらいましたが、走ることを始めた当初はフルマラソンを走る日が来るとは思っていませんでした。
そして、今はというと・・・山道を走るトレイルランというものにはまっています。なんでもない週末の早朝、聞こえるのは鳥のさえずりと、自分の呼吸と足音だけという中、山を走る爽快感は他では味わえません。
私たちが支援しているネパールのカブレ郡には、とても素晴らしい山々があり、6月の出張時には、そんな山の中の村々を訪れることができました。そこで生活する人たちは、サンダル履きで、急な斜面をなんでもない顔で登って行きます。子どもたちは、山道を裸足で駆け下りて行きます。山を駆けることがまさに生活の一部なのです。
カブレ郡の人たちの「生活の復興」のために、リレーマラソンで襷をつなぎます。
第二走者 木下規子/高杉子どもクリニック関係者
・岡山県総社市出身。生まれも育ちもずーっと総社。現在は、総社市社会福祉協議会で地域福祉の仕事をしています。大学は岡山県立大学で、ボランティアサークルへ所属。当時は阪神大震災前後で、日本はボランティアに対する意識が大きく変化した時代。さまざまなボランティア活動を通じてたくさんの人と出会い、多くのことを学ばせていただきながら、現在に至る。
・ラン歴:15年くらい。運動はどちらかというと苦手で初めは数キロ走るのもしんどかったけれど、仲間と一緒に楽しく走っているうちに、フルマラソンやトライアスロンを楽しめるようになる。地元総社市で開催されるそうじゃ吉備路マラソンでもフルマラソンを走り続けている。
第1走者小林さんとは、兄を通じての繋がり、そして実は私のランニング仲間のご近所さんだったという偶然の繋がりもありご縁を感じている。
小さい頃から運動の苦手だった私が今では『走る』ことが生活の中で欠かせなくなっている。走り始めたきっかけは、スポーツジムで出会ったご夫妻が一緒に走ろうと誘ってくれたこと。走り始めて約10年、週末には時間があれば生まれ育った吉備路をいつも仲間や旦那さんと一緒に楽しく走っている。各々の四季を感じながら、景色を楽しみながら、そして会話を楽しみながら。いつしか、仲間と一緒に地元や近隣の大会へエントリーをするようになった。初めは短い3キロくらいから、今ではフルマラソンを完走できるようになった。はっきりとしたゴールのみえない福祉の仕事をしている私にとって、大会で10キロやフルマラソンを完走することで味わえる達成感や充実感が翌日からの活力に繋がっている。
今回「ネパールの復興」を願って、一本の襷をチームで繋ぎ完走したい。
第一走者 小林 麻衣子/AMDA-MINDSスタッフ
・これまでの軌跡:岡山⇒大阪⇒神戸⇒インド⇒神戸⇒岡山⇒スリランカ⇒岡山⇒ネパール。青年海外協力隊の任期を終え2007年にスリランカから帰国後、2008年よりAMDA-MINDSにてネパール事業に従事。このところは、岡山とネパールを行ったり来たりしています。カレーは好きです。目下、農家の嫁を目指して、ネパールの村で修行中。
・ラン歴:4年。2015年のそうじゃ吉備路マラソンでハーフを完走したので、次はフルに挑戦かな。
「ネパールでの仕事、大変だね」と言われると、それはもちろん大変だと思う。岡山とネパールとを頻繁に行き来することも、電気や水の供給が不安定なことも、村に行けば川で水浴びしないといけないことも、物理的な大変さをあげればきりがないが、そういったことにはむしろ慣れてしまう。いちばんつらいのは、その瞬間にその場所に、その人の側にいたい、と思う時に、それがかなわないことだ。
それでも、4月のネパール大地震を経て、私自身が、母、友人たち、人生の先輩方などどれだけたくさんの人たちの想いに支えられているか、そして、ネパールにいる村の人、子どもたち、一緒に働いている仲間たちの笑顔がどんなに私を元気にしてくれるのか、ということを実感した。
まさに、「Smileリレー」のつながりの中にいられることが、私がうごく原動力になっている。