ネパール人の食生活/青年海外協力隊 西田喜美代

2016/03/24

ナマステ(こんにちは)。ネパールで青年海外協力隊・コミュニティ開発隊員として活動している西田です。
 
現在、首都カトマンズから20キロほど離れたカブレ郡にあるドゥリケル病院「コミュニティプログラムセクション」に配属されており、コミュニティや学校における健康教育などを行っています。今回はネパール人の食生活について少しご紹介したいと思います。
 
ネパールのご飯といえばダルバート。ダル(豆のスープ)・バート(ご飯)・タルカリ(野菜)・アチャール(漬物)が一皿に盛り付けられて出てきます。とても美味しくて私自身も大好きなのですが、いざ自分で作ってみるとどうも美味しくありません。なぜだろうと地元のおばちゃん達の作り方を見せてもらうと、塩と油が大量に入れられているのを発見しました。野菜を炒めるときにも大量の塩と油、豆のスープにも塩と油がたっぷり。このダルバートだけでなく、ネパール料理には一般的に塩と油が大量に使われています。

  • ネパールのダルバート
    ネパールのダルバート
  • 子どもの病気予防について、お母さんたちに話をする西田さん(前方右)
    子どもの病気予防について、お母さんたちに話をする西田さん(前方右)

またネパール人は甘いものも大好き。朝起きるとまずチヤ(紅茶)を飲み、オフィスでも、近所の人と雑談する時も、一日に何回も紅茶を飲むのですが、この紅茶にも大抵たっぷりの砂糖が含まれています。子供達が大好きなアイスクリーム・ソフトドリンクにも砂糖がたくさん。またお祝い事で配られるお菓子もまるで砂糖をそのまま食べているかのような甘さです。
 

男性たちに「塩分の取りすぎ」について注意を促す西田さん
男性たちに「塩分の取りすぎ」について注意を促す西田さん(右から2人目)

このようにネパールの食事には砂糖・塩・油がたくさん含まれており、都市部を中心に高血圧・糖尿病・肥満などの生活習慣病も問題になってきています。しかしネパールでは予防という概念が普及しておらず、病気の症状が出てからやっと病院へ行くのが一般的です。そのため健康教育でも砂糖・塩・油の取りすぎについて触れています。
 
2016年2月にAMDA-MINDSさんに同行させて頂いたヘルスキャンプでは、三色食品群、砂糖と塩を摂りすぎることによる弊害、また咀嚼の大切さなどについてネパール人の同僚と共にお話させて頂きました。
 
参加してくれた子供達は、紅茶やジュース、お菓子にたくさんの砂糖が入っていると知ると、「お菓子はなるべく少なめにして歯磨きもきちんとするよ」と約束してくれました。また、お母さん達からは「一口20回も噛んでいたら、食事に3時間もかかっちゃうよ」という反応も。そこで「でも日本では、一口30回噛むように教えるんだよ」と話すとさらに驚いていましたが、「できるだけたくさん噛んでご飯の量を減らせるようにしないとね」と話してくれました。
 
食生活を変えることは日本人でもなかなか難しいことではありますが、病気になる前に少しでも気を付けてもらいたいという思いを込めて、今日もどこかで活動しています。