~リサイクルで「違い」のあるコミュニティを目指して(Reciclando para una comunidad diferente)~ / ホンジュラス事務所 陰山亮子
「住みやすいコミュニティ」を目指した活動第3弾!今回は発足から48年、人口約5,900人のラス・パルマス地区で開催されました。
次世代の子どもたちを対象としたイベント
ラス・パルマス地区では、約5年前、ギャングが入り込もうとした時期がありました。それを阻止したのは住民の組織です。住民たちが交番設置に向けて協力し、2011年に交番が設置されました。そして2016年からは現在の「住みやすいコミュニティ」を目指したプロジェクトが実施されています。
今回、このプロジェクトの一環として行う活動として、コミュニティ・グループが選んだテーマが「リサイクル子どもフェア」です。治安が悪いながらも、子どもたちの教育に力を入れて教育環境を改善するとともに、将来、子どもたちが住み続けたいと思うような環境の良い地域になるように、とリサイクル活動を子どもたちに浸透させるイベントが提案されました。
少数精鋭での準備
ラス・パルマス地区は現在、事業で取り組んでいる3地区のうち、一番人口が少ないこともあり、コミュニティ・グループメンバーも12名と若干少な目です。そのため、準備には時間もかかり、他の地区のようにメンバーが増えてくれれば、という願いもありつつ、「人数の多さではない、少なくてもやる気があるメンバーが揃うことが重要である」という少数精鋭を掲げるグループコーディネーターのもと、夜遅くまで開催の準備が行われました。
明るい子どもたちが大いに楽しんだ
12月5日。地域警察、地元商店、ボランティア医療団体クルス・ベルデ、国家社会復帰支援・暴力予防プログラム、CPTRT(現地NGO)など、様々な人々の協力のもと、リサイクルフェアが開催されました。
ホンジュラスの伝統的な子どもの遊びでもある飴の入ったくす玉を割る「くす玉割り」、大きな袋に入って競走する「袋競走」、スプーンを口にくわえボールをその上に乗せ、ボールを落とさずに運ぶ「ボール口運び競争」など様々なイベントに加え、子どもたちのタレントを発掘するカラオケコンテスト、ダンスコンテストなどが開催され、子どもたちは大いに楽しみました。地域の住民によるリサイクル品の販売も行われ、売上の10%がコミュニティ・グループの今後の活動のために寄付されました。さらに、地元唯一の小学校に「リサイクルごみ箱」が贈呈され、子どもたちが今後、ごみを分別して捨てること、リサイクルできるものを活用することなどを学ぶことが約束されました。
人口が比較的少ないことから参加者が集まらないのではないかと心配していたコミュニティ・グループの心配をよそに、93人の子どもたちを含む249人が参加する大イベントとなりました。リサイクルでごみの落ちていない、一歩進んだコミュニティを目指して今後も頑張ってくれることでしょう。