ネパール研修生を迎えた岡山の舞台裏から
海外事業運営本部 竹久佳恵
アムダマインズがネパール・ゴルカ郡で実施している、JICA草の根技術協力事業「青年リーダーたちと取り組む『稼ぐための農業』推進プロジェクト」の関係者7名が、昨年11月に来日しました。岡山県内各地で農業振興に関するさまざまな取り組みを学ぶためです。
研修の概要や成果、報告会の様子はすでにウェブサイトやYouTubeでご紹介しているので、このレポートでは、研修を温かく支えてくださった岡山の皆さまに焦点を当て、その舞台裏をお伝えします。たった一週間の研修でしたが、ネパール研修生と岡山の皆さまがふれあう心温まる場面が数多くありました。

ちょっとした緊張と興奮、そして長旅の疲れを抱えながら迎えた初日。研修のブリーフィングを終えた一行は、岡山を代表する観光名所、後楽園と岡山城へと向かいました。
同行するネパール事業担当の小林と私自身、岡山生まれ岡山育ちではあるものの、来日する研修生に十分な説明ができるほどの知識がない…ということでお願いしたのが、岡山市観光ボランティア活動連絡会、通称「おかやまももたろうガイド」。近年のインバウンド増加もあり、英語・中国語・韓国語での案内にも力を入れておられるとのこと。今回は英語でのガイドをお願いしました。
後楽園の入口で出迎えてくださったのは、ガイドの平井さんと加藤さん、そして研修を兼ねて同行された女性ガイドのお二人。資料や写真を手に、要点を押さえながら説明する姿は、まさにプロフェッショナル!研修生からは、「このソテツはなぜネパールのより大きく、曲がっているのか」「あの箱(長持)はゴルカの王のものと形が似ているが、中に入れる物も同じなのか」といった、変化球の質問も次々と投げかけられました。こうした問いをきっかけに、話題は互いの国の文化や歴史へと自然に広がり、単なる観光を超えた岡山とネパールの交流の時間となっていきました。
特に研修生の印象に強く残ったのは、シニア世代のガイドの皆さんが、生き生きと社会参加されている姿でした。「ネパールでは、高齢者は自宅で過ごすのが一般的。皆さんのように社会と関わり続け、知識や経験を次の世代へ伝えている姿がとても印象的だった。ネパール社会も、こうあってほしいと思った」そんな研修生の言葉が、今回の交流の深さを物語っていました。

研修視察先の一つである、JA備南営農センターの選果場では、生産者が持ち込んだ備前千両茄子が16段階に自動選別される仕組みや、生産者部会の体制などについて学びました。品質管理と組織運営の両面において、研修生一同、大きな刺激を受けた様子でした。
視察の終盤、同センターの荒木さんが手にしていた袋から取り出してくださったのは、千両茄子のマスコットキャラクター「あっぱれ健紫郎」が描かれた箱。中には、山盛りの「千両茄子パイ」。生産者部会婦人部の皆さまが、ネパールからの研修生をもてなそうと前日に集まり、一つひとつ手作りしてくれたそうです。まさにサプライズプレゼント!
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婦人部の皆さんが手作りしてくださった千両茄子パイ -

初めての茄子ジャムの味はもちろん、加工のアイデアに驚きと感動の声が上がりました
千両茄子をレモン汁と砂糖だけで煮詰めた茄子ジャムは、やさしい甘さで、サクサクのパイ生地との相性も抜群。視察後、ホテルに戻って研修生と一緒にいただきましたが、誇張ではなく取り合いになるほどの人気でした。同行していたネパール人スタッフのゴータムが、「茄子のパイはもうないの?」とこっそり私に尋ねてきたほどです(個人的には、ぜひ商品化してほしい一品)。
その美味しさはもちろんのこと、忙しい中でも時間を作り、一つひとつ手作りして研修生を迎えてくださった婦人部の皆さんのあたたかい想いが、何よりうれしく感じられました。
そして、研修期間中の移動を支えてくれたのが、ドライバーの井上さんです。分刻みで組まれたスケジュールの中、早すぎず遅れすぎず、想定外の通行止めやトイレ休憩、さらには「ホームセンターで軍手を見たい」という研修生からの突然の要望にも、「だいじょうぶよ~、だいじょうぶよ~」とやさしい口調で応じ、常に安全第一で対応してくださいました。
短期滞在の中で研修生が覚えた日本語は、「おはようございます」と「ありがとうございました」。一方、井上さんが覚えたネパール語は「ナマステ」。その言葉が、マイクロバスの乗降のたびに笑顔とともに交わされる様子は、なんともあたたかいひと時でした。
たった一週間の本邦研修ではありましたが、本当に多くの岡山の皆さまに温かく迎えていただき、行く先々で心のこもったおもてなしを受けました。研修生にとってはもちろんのこと、ここ岡山に本部を置くアムダマインズのスタッフとしても大きな喜びであり、誇りを感じる経験となりました。本研修に関わり、支えてくださったすべての皆さまに、心より御礼申し上げます。

海外事業運営本部 プログラムコーディネーター
沢木耕太郎や小田実の本に影響を受け、民間企業を退職してバックパッカーの旅へ。その際訪れたネパールの片田舎で老婆を助けたことをきっかけに、国際協力に関心を持つ。帰国後、アムダグループの「援助を受ける側にもプライドがある」という言葉に共感し、2002年にアムダ海外事業本部(アムダマインズの前身)入職。働きながら開発学修士を取得。ベトナム、カンボジア、ミャンマーに駐在後、2010年から現職。プロバスケチーム「トライフープ岡山」の応援と、韓流ドラマ視聴が日々の楽しみ!岡山県出身。

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