ミャンマーの人々の力を信じて
ミャンマー事務所 南條昌康
筆者は新型コロナの流行が起きるまでの約5年間、ミャンマーの現地企業に勤務していました。新型コロナの感染拡大にともない日本に帰国せざるを得なくなりましたが、その後この国で起きた悲劇に心を痛めていました。ずっと自分の中でミャンマーに戻りたいという思いが消えず、この度アムダマインズのミャンマー駐在員として赴任することになりました。
約3年ぶりにヤンゴン国際空港へ降り立った時、ミャンマーに戻ってきたという感動に浸るより前にまず感じたのは、とにかく「暑い」ということ。春めいてきたとはいえ、まだ肌寒さの残る3月上旬の岡山を出発し、18時間後に到着したヤンゴンの気温はなんと36度。この急激な温度差に身体がついていきませんでした。
久しぶりのヤンゴンの街は、以前と変わっていないようにも見えました。
よく通ったレストランやショッピングモールなど、街を懐かしく散策しました。
しかし、それは表面的なことで、いたるところで深い傷跡も垣間見られました。いまだ通行止めとなっている道路などに行き当たると、当時画面を通して見ていた惨劇が思い起こされ、なんとも言えないやりきれない気持ちになりました。
また、約5年間住んだ経験があるとは言え、改めて生活を始めるにあたり、物価の高騰には驚きました。スーパーマーケットで購入する商品は、ものによっては1.5倍以上の値段になっています。タクシーの料金も、3年前に利用した同じ距離でも1.5〜2倍は高くなった印象を受けます。
ほかにも、軽いカルチャーショックを受けました。
特に今は停電に悩まされています。ヤンゴン市内も電力不足が続いていて、オフィスのある地域でも、毎日決められた時間に計画停電が実施されています。
最も気温の高い時間帯に電気がなく、空調を使えない時の暑さにはとにかく耐えるしかありません。電気が使える時間帯を気にしながら、日々の仕事や生活の予定を組んでいます。
停電と同じく慣れないといけないのは、行動制限です。ヤンゴン市内でも、夜はまだ外出禁止令(午前0時から4時まで)が出ているため、私自身、夜はなるべく出歩かないようにしています。
また、現在、外国人が地方へ行くためには政府の許可が必要です。プロジェクト現場へ行くこと自体が難しいので、現地のスタッフとは基本的に遠隔でやり取りしています。
私の知るミャンマーは、とても美しくて平和な国です。今、この国はかつてない変化の時にあります。しかし、人々はこれまで何度困難にぶつかっても、それを乗り越えてきました。今回もきっと例外ではありません。私は「ミャンマーの人々の力」を信じています。
現地スタッフと共に、プロジェクトを通してこの国の一助となるべく、がんばって参ります。
引き続き、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。
ミャンマー事務所 事業統括
アメリカ留学を経て、日本財団の姉妹財団である東京財団に入所。その後、民間企業、国会議員秘書などを経て、ミャンマーへ渡航。現地企業で約5年間、主にミャンマーに進出する日系企業のサポート業務に従事。2023年2月より現職。岡山のお気に入りスポットは岡山城。静岡県出身。
現地からの活動報告やイベント予定などを、公式SNSやメールマガジンでも配信しています。メールマガジンでは、他では公開していないオリジナルコンテンツ「スタッフのひとりごと」もお楽しみいただけます。