マダガスカル人は運動好き?! ミャンマー事務所 江橋裕人
AMDA-MINDSは2020年1月から、アフリカの島国、マダガスカルで子どもの栄養改善を目指した活動に取り組んでいます。2月下旬から3月中旬にかけて、現地へ行く機会がありました。
他の国際協力団体で働いていた頃、ザンビアに2003年から2006年までの約3年半、駐在していたことがありますが、私にとってはそれ以来となるアフリカ。公用語のマダガスカル語もフランス語も解さないため、一抹の不安はあったものの、それ以上に期待を胸一杯にして出発しました。まだ新型コロナウイルス感染症の影響はそれほど深刻になっていない頃で、特に厳しいチェックもなく、無事往復することができました。
マダガスカルでは、とても新鮮な発見がありました。それは「マダガスカル人はスポーツが大好き!」ということです。
海外では車での移動が多く、運動不足になりがちです。街灯の少なさ、道路事情や野良犬(狂犬病の恐れあり)、治安などを考慮すると、気軽にふらりとジョギングしに出かける訳にもいきません。そこで周囲の助言に従い、週末の陸上競技場へ行くことにしました。特に手続きも必要ないとのことで、土曜の朝6時過ぎに行ってみると、人が溢れていました!
黙々と走る人、中高生のクラブ活動と思しき集団、ダッシュを繰り返すおじさんたち、体幹や筋肉を鍛える運動をしているグループ、エアロビをする男女、ハードルを使った練習をする若者、コートの半分を使ってサッカーをする少年たち、スタンドの階段で筋トレに励む若者たちなど、幅広い世代の男女が思い思い楽しそうに体を動かしているではないですか。その数、軽く100人は越えていたと思います。なんだ? この活気ある楽しそうな雰囲気は!?
私がこれまで長期間滞在したことのある国々(ミャンマー、ザンビア、イギリス)では、こんな光景は見たことがありません。もちろん、これは首都アンタナナリボにある一つの陸上競技場だけの話で、マダガスカル全体に当てはまるのかどうかはわかりません。
マダガスカルには体育の授業があるので、運動習慣の素地があるのかもしれません。何が影響しているのでしょうか。国民的英雄のスポーツ選手の存在? それともケニアやエチオピアのようにマラソンで一獲千金を夢見ている? いやいや、バスケットボールの人気は高くても、サッカーやマラソンが強いとは聞かないし。高血圧の人や糖尿病患者が多いようなので、その対策か? でも、それだけでは若者の熱心さを説明できない…。
結局、現地滞在している間に確かめる術はありませんでした。コロナ禍が落ち着き、マダガスカルを再訪することができた際には、いろいろ聞いてみようと思います。
江橋裕人(えばしひろと)
ミャンマー事業 事業統括
エチオピア飢饉やソマリア内戦のニュースを見たことがきっかけでアフリカへの興味を持つ。大学卒業後、民間企業に勤めたのち、イギリスの大学院でアフリカ地域研究(政治学)と国際関係論の修士号を取得。NGO職員としてアフリカのザンビアに3年半駐在後、2010年にAMDA-MINDS入職。今の趣味はジョギング。日本にいた頃はオートバイ(愛車はBMW R1200GS)でのツーリング。岡山のお気に入りスポットは、旭川・百間川沿いのジョギングコース。茨城県出身。