ニジェール雑感 海外事業運営本部 松本千穂
2021年3月初旬から5月中旬にかけて、約10年ぶりにニジェールを訪れました。
前回JICAの青年海外協力隊員として訪れた時とは打って変わり、空港はすっかりきれいで現代的なものに建て替わっていました。ボーディングブリッジも導入されて、搭乗時はターミナルビルから直接機内に入れるように。ただし、その2階建てのターミナルビルは、出国者と入国者の導線を分ける構造になっておらず、到着時はボーディングブリッジを使えず、徒歩でターミナル1階のイミグレーションに向かう必要がありますが…。今回の到着が乾季で幸いでした…。
イミグレーションの仕事ぶりは何とも緩やかというしかなく、なんと入国管理官は私のビザをたいして確認もせず、パスポートに入国スタンプを押してくれました。とはいえ、出国時に「パスポートに入国スタンプがない」と指摘されて足止めされた外国人も見かけましたので、彼らの仕事ぶりにはかなりムラがありそうです。
さて首都ニアメには欧米資本のホテルができていたり、ニジェール川に新しい橋がかかっていたりと、確実に10年の歳月を感じさせる変化もありました。一方で、その側をロバやラクダが荷物を運んでいく様子は以前のまま。加えて、ニジェール人の気質も10年程度で変わることはなかったようです。
ニアメは首都だけに、ニジェールのあちこちから仕事を求めて、また親族を頼って移り住む人も多く、立派な住宅が立ち並ぶ地域の空き地にすら、移り住んできた人々が身を寄せるわらぶきの小屋がひしめいている状況です。よくあいさつを交わした近所の子どもたちもそんな小屋に暮らしています。
今回私が携わったプロジェクトは、学校の先生や教育行政と保護者・地域の住民などが協働で、読み書きや四則計算といった子どもたちの基礎学力の向上を目指すものでした。学校に通ったけれど、読み書き・計算も習得できないまま中退したり、卒業試験に合格できなかったりという子どもが多いニジェール。プロジェクトが子どもたちの充実した学びにつながっていればいいなと思います。