美味しい野菜をザンビアの人々へ 青年海外協力隊 平野耕志
みなさんマチョマ ブアンジ!(現地語ニャンジャ語での「Good afternoon」) ここルサカ市は綺麗なレストランや映画館、大きなショッピングモールがあり「本当に途上国なのだろうか?」と疑問に感じるくらい充実した街並みと広く青い空が広がっています。しかし一歩奥に入れば、家々が無計画に建設されて人口が密集し、電気や上下水道などが設備されていないコンパウンドと呼ばれる低所得層の非計画居住地区が広がります。私はコミュニティセンターのあるジョージ地区(ルサカ市北西部に位置する)のコンパウンドの近くで生活をし、日常の移動手段はミニバスを利用していますが、ザンビアのミニバス環境はとてもユニークです。3人用のスペースに無理やり4人座り、バスは満席になるまで出発はしない。おつりは言わないと貰えないことが多い。走行中ドアが外れたりする車の整備環境。家畜の乗車可。ヤギの乗車にはさすがに驚かされます。バスの中だけでも日本と違った様々な文化が溢れています。 コミュニティセンターは持続可能な社会開発事業として、現金収入の向上、エンパワーメントなどを目的にAMDAがザンビア国の保健省から土地を預かり受け、1998年にスタートしました。現在は野菜とバナナの農園、養鶏場、コミュニティスクール、コンピューター教室、裁縫教室、駐車場経営の6つの事業があり、11人のボランティアスタッフと共に自立的な運営を目指しています。 コミュニティセンターの面積は2.8haありますが、その約7割の土地が農園事業の対象となっています。しかし私が着任した4月は、労力と農業技術の不足が原因で土地が十分に利用されていない状況でした。まずは、少しでも農場スタッフのモチベーションが上がるよう、農業ワークショップの開催、マーケットへの直接販売、短期間の労力確保などを行い、活動の活発化を図っています。そういった活動の甲斐もあり農場状況も少しずつ変化が現れ、小規模ですが作付面積の拡大、利用者の増加、地域住民から「農場がきれいになったね!」と嬉しい声もいただきました。 私がここへ来て何か出来たこと、大きく変わったことはまだありませんが、本当の意味で彼ら(コミュニティセンタースタッフや地域の人々)のためになることはどんなことなのだろうかと自問自答している毎日です。「自分のため」ではなく「彼らのため」の活動をしていきたいので、焦らずゆっくり、自分自身も大きく成長していきたいです。 |