定年おやじインドネシアを行く ?南国つれづれ滞在記④- AMDA鎌倉クラブ 鈴木貢

2013/07/01

南国つれづれ滞在記その3に続いて、今回こそインドネシア事業でのボランティアの様子をお伝えしたいと思います。

インドネシア事業にはマカッサル統括事務所とシンジャイ地方事務所の2つの事務所があります。プロジェクト責任者の梶田さんはマカッサル市とシンジャイ県を行ったり来たりの生活ということで、私もそれに同行させていただきました。

マカッサルにいるときは、スタッフの就業時間に合わせて朝8時から夕方5時まで事務所で作業です。最近はプロジェクトの資料を作るお手伝いをしています。活動スケジュールを書き込む1年分のカレンダーを作ったり、牛の人工授精についての教材を日本語からインドネシア語に翻訳する作業を手伝ったりと、裏方仕事ではありますが現地スタッフと一緒に楽しく作業させていただきました。

シンジャイ県への出張に同行した時は、マカッサル市内の渋滞がひどく、通常なら3時間半で到着するという道のりを5時間かけて移動しました。渋滞を抜けると今度は未舗装のデコボコ山道で、跳ねる車の中、お尻の痛みに耐えて到着したプロジェクト地は棚田が広がる美しいところでした。

シンジャイで初めて牛さんとご対面した時は、痩せて背骨と骨盤が浮きでている牛が多く、栄養状態が芳しくないことが素人目にも分かりました。牛さんが哀れに感じると同時に、このプロジェクトの意義を改めて痛感いたしました。そんなシンジャイでの初仕事は、牛さんの給餌テストに使用する配合飼料づくりのお手伝いでした。まずは配合飼料に入れる300Kgほどの干し魚を粉砕機で牛が食べやすいサイズにするのですが、なかなか上手く小さなサイズに切ることができずスタッフや農家の方と一緒に悪戦苦闘しました。その後、試行錯誤の末になんとか適当な大きさになり一安心でした。

また、良質な飼料を求め、プロジェクト地から車で2時間ほど離れたボネ県にある製糖工場にも出向きました。砂糖の原料となるサトウキビは高さ2m~3mほどありますが、先端から1m位の葉部分は捨てるということで、飼料として譲り受けたいと打診をしているのです。交渉は継続中ですが、定年おやじは時間切れで結果を見届けることができないまま日本へ帰ることになりそうです。日本から交渉成功を祈ることとします。

そんな訳で、約2ヵ月の滞在でしたが、日本では退職してから暇で退屈な日々を送っていた定年おやじが、日本とは慣習や環境が違うインドネシアで何となく忙しく充実した日々を過ごすことができました。このような機会を与えていただいたプロジェクト責任者の梶田さんを始め、AMDA-MINDS本部の方々に心から感謝を申し上げたい次第です。

(インドネシア事業の詳細についてはこちらをご覧ください。)

シンジャイ県の牛です
シンジャイ県の牛です
シンジャイ県へと向かう山道
シンジャイ県へと向かう山道
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スタッフと一緒にカレンダ-作り(筆者左)
配合飼料の材料になる干し魚を運びます(筆者左から2人目)
配合飼料の材料になる干し魚を運びます(筆者左から2人目)