恐怖の通勤路と、レオナの愉快な仲間たち/ホンジュラス事務所 陰山 亮子
今朝も意を決して家を出る。通勤は私にとって一日のうちで一番の、恐怖の時間。世界1位2位を争う殺人率のホンジュラス。朝から気が抜けない。彼らは朝から激しく活動的なのだ。家の門の向こうで、すでに待ち構えているのが一人。いや、一匹。ご安心ください、私が朝から恐れているのは強盗ではなく、その対策としてご近所さんたちが飼っている番犬たちです。
10年ほど前に犬に口をかまれ9針縫う怪我を負ってから、私は犬が大嫌いです。住んでいるところから職場までは、徒歩3分程度の近さ。にもかかわらず、その間、野良犬5匹(日によって増減)、飼い犬11匹(子どもが生まれると倍増)、計16匹の関門を通り抜けなければなりません。毎日、職場に着くのに一苦労です。エルナンデスさん宅のムニェ、オサ、ネダ。キニョネスさん宅のブルネラ。メヒアさん宅のティニー、ポチ。野良のネグラ・・・。
犬たちだけでなく、動物が豊富なこの地区には、日本では、なかなか見ることのできないたくさんの動物が現れます。地区名も「レオナ地区」といい、「レオナ」はスペイン語でメスライオンの意味です。
頭上から木の実を落としてくるので要注意なリスたち。通常ならゴミ捨て場にいる鳥なのですが、なぜかたまに現れるヒメコンドル。街頭の鉄製電球カバーにいつか穴があけられると思い込んで、日々頑張るキツツキ。朝っぱらから木の上で大騒ぎのインコたち。
まだまだ自然の残るホンジュラスのレオナ地区、いつかホンジュラスにいらっしゃった際には是非、彼ら、レオナの仲間たちを訪ねてみてください。