出産をサポートする「妊婦の家」が完成しました(ホンジュラス)
1月30日、ホンジュラスのエル・パライソ県トロヘス市で「妊婦の家」の開所式を行いました。 「妊婦の家」は外務省の日本NGO連携無償資金協力事業として実施している「母子保健センター利用促進プロジェクト」で建設された妊婦さんが宿泊できる施設で、エル・パライソ県トロヘス市の母子保健センター(通常分娩を扱う市のクリニック)に併設されています。トロヘス市はホンジュラスの他の地域に比べて、クリニックではなく村で分娩するケースが多く、それが妊産婦、新生児死亡率の高さにつながっています。村での分娩を選ぶ理由として、村からクリニックまでの距離が遠く、分娩直前にクリニックまで移動することの身体的負担が大きいこと、また分娩まで余裕を見てクリニックのあるトロヘス市に移動した場合に、宿泊施設に泊まる経済的負担が、村の人たちにとっては大きすぎることが挙げられます。 「妊婦の家」は、そのようなクリニックから遠く離れた村に住む妊婦さんたちの経済的負担を軽減し、計画的にクリニックを訪れ、クリニックでの健診・分娩を推進すべく建設されました。本プロジェクトは、「妊婦の家」の建設の他、今後同施設の運営を担っていくトロヘス市民のボランティアからなる「妊婦の家」運営委員会の形成、研修、また村の人へクリニックでの健診、分娩の重要性などを訴える啓発活動なども行っています。 開所式当日は、加來至誠在ホンジュラス日本国大使、ホンジュラス国保健大臣、エル・パライソ県保健事務所長、トロヘス市長をはじめ、「妊婦の家」運営委員会メンバー、トロヘス市民のみならず、遠く離れた村々からも総勢100名以上の参加を得て、盛会となりました。加來大使からはトロヘス市の母子保健の状況、ODAとして実施している本プロジェクトの説明をしていただきました。また、スタッフや、トロヘス市民へのねぎらいの言葉、及びプロジェクトの今後の持続発展への期待や、「妊婦の家」敷地内に花などを植えて、妊婦さんが過ごしやすい場所にしてほしいという希望も述べられていました。また保健大臣からは、ホンジュラス国保健政策における「妊婦の家」の重要性、エル・パライソ県保健事務所長からはそれに加え、AMDAがこれまでエル・パライソ県で実施してきた活動の説明と、謝意などが述べられました。 本プロジェクトは今年7月まで継続し、「妊婦の家」がトロヘス市民の手によって、継続的に運営され、お母さんと子どもの健康を守っていけるようサポートを行っていきます。 |