ネパール「ルパンデヒ郡における母子健康増進事業」第2期目がスタートしました

2013/06/06

2013年5月30日、平成25年度日本NGO連携無償資金協力事業「ルパンデヒ郡4行政村における住民能力強化を通じた母子健康増進事業」の第2期事業について、事業資金の贈与契約が、在ネパール日本国大使館との間で締結されました。

日本と比べて妊産婦死亡率・新生児死亡率が高いネパールの中でも、本事業の対象地であるルパンデヒ郡のような地方部は都市部に比べて、死亡率がより高くなっています。また、インドとの国境地域タライ平野にある同郡には、インドに出自を持つタライ・マデシと呼ばれる人々が多く住んでいますが、ネパールの伝統的なカースト(社会階級)制度の中では低位に位置づけられ、一般的に弱い立場にあります。このような脆弱層とされる人々の保健指標は概して低く、例えば妊産婦死亡率ではネパール平均が妊婦10万人に対して229人なのに対し、タライ・マデシでは307人となっています。このような現状を踏まえ、当団体では2010年11月から同地域における母子の健康向上を目的としたプロジェクトを実施してきました。

2013年6月から開始する同事業の第2期目では、引き続き母親グループへのトレーニング等を通じて母子保健に関する知識や産前・産後検診のさらなる定着を図ります。最寄りの診療所まで遠い地域でも検診や予防接種等のサービスを受けやすいよう、出張公共医療サービスの拠点となる「アウト・リーチ・クリニック」の建設や実施も支援します。また、お母さんたちが少額ずつ積み立て、急に医療費が必要になった際に安心して借り入れができる先として定着しつつある健康基金については、お母さん達自身でしっかりと運営管理できるよう管理能力強化のためのトレーニングも継続して実施します。さらに、村の衛生環境を良くすることで母子を含む住民全体の健康向上に寄与する取り組みとして、ネパール政府が推進する家庭用トイレ建設促進政策と足並みをそろえ、各家庭でのトイレ建設の支援も行います。

ネパールは地形も民族も多様ですが、子どもを想う気持ちはどのお母さんも同じです。全てのお母さんが安心して子どもを産み育てられる村になるように、第2期目も住民と寄り添いながら事業を実施していきます。

ネパール事業についてはこちらをご覧ください。

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在ネパール日本大使館の榊原公使参事官(右)と木下事業統括
署名式の様子
署名式の様子(左3名がパートーナー団体のAMDAネパールスタッフ)
1期目事業で建設したアウト・リーチ・クリニックの建物
1期目事業で建設したアウト・リーチ・クリニックの建物
アウト・リーチ・クリニック建設前
アウト・リーチ・クリニック建設前