ミャンマー・シャン州ナムトゥ郡で事業2期目を開始しました
2014年2月、ミャンマー北東部のシャン州(北)ナムトゥ郡34村で実施している日本NGO無償連携資金協力「健康希求行動改善プロジェクト」の2期目(フェーズ2)を開始しました。事業地であるナムトゥ郡にはシャン族、パラウン族、カチン族など、それぞれ独自の言語や文化を持った少数民族が居住しています。乳児死亡率と妊産婦死亡率はそれぞれ国内平均の2.4倍と7.5倍、マラリア罹患率は国内平均の2倍、安全な水へのアクセス率は15%程度に留まっており、保健医療・水衛生を取り巻く状況は深刻です。
2年間のプロジェクトの2年目にあたる今フェーズでは、1年目に各対象村の人々が作成した村を良くしていく為の行動計画を実施に移していきます。具体的には、安全な水を確保するために、住民主導で飲料水供給施設を建設し、より多くの女性が安全な出産をできるように保健センターに分娩室の設置を行います。また、各村に設立した保健促進委員会と水衛生委員会のメンバーが中心となって、疾病予防に関する保健教育を行ったり、学校の子どもたちを対象とした衛生啓発イベントを実施したりする予定です。 フェーズ2開始にともない、シャン州ラショー市にある事務所では、プロジェクトスタッフが全員参加し、3日間の振り返り&計画ミーティングを行いました。フェーズ1の振り返りでは、これまでの成果や反省点、フォローアップ(終了時)調査の結果について話し合いを行いました。例えば、フェーズ1では、衛生分野の啓発を重点的に行い、また、「世界手洗いの日」に衛生啓発イベントを開催した結果、住民の手洗い行動が大幅に改善されました。2013年6月に実施したベースライン(事業開始時)調査では、男性の30%がトイレ使用後に石けんで手洗いをすると回答していましたが、半年後の12月に実施したフォローアップ調査では70%まで改善されました。また、対象村の一つであるナンタンコン村に地域補助保健センターを設置したことで、これまでは公的医療施設の利用に消極的だった住民が、医療が必要な時は保健センターや郡立病院を利用するようになりました(46%から81%に改善)。他方、マラリアやHIV/エイズに関する基礎知識は未だに低く、フェーズ2では、さらに保健教育を強化する必要があることも明らかになりました。これらミーティングで話し合った反省や教訓を踏まえ、引き続きナムトゥ郡の住民が自ら健康状態や水衛生環境を改善できるよう、支援していきます。 |
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