8月12日は国際青少年デー -青少年がメッセージ発信-
8月12日は「国際青少年デー」。国連によって制定された記念日です。2000年8月12日に始まって以降、毎年世界各国で政府や青少年組織などがイベントを実施しています。年毎にテーマが設定されますが、今年のテーマは「メンタルヘルス」です。 ここホンジュラスでも毎年、国際青少年デーには首都テグシガルパ市の市役所の主催で、青少年事業実施団体や青少年グループが数多く集まり、それぞれがブースを出展し活動報告や啓発活動を行います。開催場所が大聖堂のある中央公園とあって、大勢の通行人、大聖堂にお祈りに来る人、鳩にえさをやる老人、待ち合わせしている若者たち、赤ちゃんを抱っこしたお母さん、ソフトクリームをほおばる男の子とお父さんといった、偶然イベントに居合わせた人々も多く、大変賑やかでした。 当団体では現在、日本NGO連携無償資金協力事業として同市で青少年育成事業を実施しており、育成された青少年は青少年リーダーへと成長し地域活動を企画・実施したり、青少年リーダーがファシリテーターとなって同世代の青少年たちに研修を行ったりしています。 このような青少年の夢、平和への願いが散りばめられた当団体のブースに、じっと長い時間留まり、青少年が発信するメッセージを一つずつ丁寧に読んでいた年配の男性がいました。その様子が気になった青少年リーダーの女の子が近寄り、会話が始まりました。他の出展団体とは違うやり方で大変興味深く、ここにいると元気が出てくると言います。「未来に思いを馳せるポジティブな質問、そして青少年たちの純粋な願いであるポジティブな回答。」確かに、その他多数、青少年事業関連のブースが出ていましたが、どの団体も青少年犯罪、薬物乱用、虐待、家庭内暴力、若年妊娠など、現代の青少年を取り巻く実態を生々しく訴えかけていました。ただその視点は、青少年側のものではありませんでした。もちろん青少年の問題を世間に提示し関心を持ってもらい、解決策を練ることは大事です。しかし、この年配の男性は常々疑問に感じていると言いました。「皆が口を揃え問題ばかりを主張し、青少年という存在は、「国の未来」と認識されるどころか「問題」として捉えられている。しかし、問題だけだろうか。そして本当に青少年たちは夢も希望もない国に生きているのだろうか。ネガティブな言葉で青少年を質問攻めにするから、回答も当然ネガティブなものになってしまうのではないか」と。今日、青少年たちが発信したメッセージから青少年たちの優しい心や活力を感じることができたようで「君たちに会えてよかった、ありがとう」と言って会場を去っていきました。とても印象的な来場者でした。 今年のテーマは「メンタルヘルス」でしたが、私たちは青少年育成事業を実施する上で、青少年たちの本音を大事にし、彼らの思いを表現する場を持てるよう心掛けています。事業を始めて1年半が経過しましたが、青少年リーダーたちのポジティブな心理的変化は大きく、今後の事業展開が楽しみです。 ホンジュラス事業の詳細はこちら |