10月17日は貧困撲滅のための国際デー

2014/10/17

斜面の畑でとうもろこしの収穫を行う女性
斜面の畑でとうもろこしの収穫を行う女性
世の中には沢山の○○の日、△△デーがありますが、10月17日は「貧困撲滅のための国際デー」とされていることをご存知ですか?1987年10月17日、かつて世界人権宣言が採択されたパリに約10万人の人々が集まり「極めて貧しい環境で生活する人々がいる限り、人権は侵害されている。人権が尊重されるよう集結することは、私たちの守るべき責任である」 と宣言し、この宣言を記念碑に刻みました。1992年には国連総会で10月17日を「貧困撲滅のための国際デー」とすることが採択されました。

私たちAMDA社会開発機構も、平和とは、今日の家族の生活(食べることができ、健康である)と明日の家族の希望(子どもに教育を与えられる)が実現できる状況であり、戦争、災害、そして貧困は平和を妨げる要因であると捉え、様々な国で貧困削減に取り組んでいます。

2014年3月からネパール中部のカブレ郡カルパチョウク村で開始した生計・生活向上プロジェクトもその一つです(ネパールプロジェクトについてはこちら)。このプロジェクトでは、教育、仕事、食料、保健医療、飲料水など、人間が健やかな生活を送るために最も基本的な物・サービスを手に入れることができない状態、つまり貧困状態にある人々の生計・生活向上を支援しています。カルパチョウク村は急峻な丘陵地帯にあり、人口の9割以上は農業に従事していますが生産性が低いため、約7割の世帯ではその収穫や販売収入だけでは1年分の食料を賄うことができていません。現金収入を得るため日雇労働に従事したり、首都カトマンズや中近東などの海外に出稼ぎに行かざるをえない若者も後を絶ちません。また、約3割の世帯は6ヶ月以上もの水不足に直面しています。乾期には遠くの水源まで水汲みに行かねばならず、1回の水汲みに5時間から8時間もかかる世帯が6割近くあります。想像してみてください、お腹を空かせながら水がめやポリタンクに汲んだ20キロ以上の水を担いで急な山道を毎日歩く生活…。

村の集会の様子
村の集会の様子

私たちのプロジェクトはまだ始まったばかりですが、今後、ショウガなど村の土壌や環境に適合しネパール国内での需要も高い農作物を導入したり、肥育期間が短く肉質の良い品種のヤギの飼育に関する技術研修を行ったりして、村の人たちが安定して村の中で生計を営めるよう支援をしていく予定です。また、雨季に屋根に降り注ぐ雨水を溜めて乾季の飲料水として活用するための貯水タンクの設置、公共水道の水源地周辺の森林保護など、安全な水への継続的なアクセスの確保にも取り組みます。村の人々からは「村は外部の誰かに開発してもらうものではない、自分たちで発展させ住みよい場所にするのだ」という力強い決意が聞かれています。

今年の「貧困撲滅のための国際デー」には、カルパチョウク村をはじめ世界の様々な場所で、故郷の村で家族と健やかに生きるため、貧困を克服しようと努力する人々に思いをはせてみては如何でしょう。
カルパチョウク村をはじめ、世界で貧困を克服しようと努力する人々のために、今、あなたのお力が必要です。こちらのページをご覧ください。