ミャンマーでの取り組み

2011年の民主化以降、「アジア最後のフロンティア」として注目されたミャンマーですが、2021年2月の政変と非常事態宣言発令により、社会全体が混乱に陥り、現在も不安定な状況が続いています。経済の停滞や物価高騰により、多くの人々が困難な暮らしを強いられ、とりわけ地方部では医療や教育、収入の機会へのアクセスが大きく制限されています。人びとは自らの力で逆境を跳ね除け、生活を立て直すことを余儀なくされており、きめ細やかな支援が求められています。

面積:68万km2 (日本の約1.8倍)
人口:5,413万人 (2023年/世界銀行)
公用語:ミャンマー語
1人あたりのGNI:1,230米ドル (2023年/世界銀行)
5歳未満児死亡率:40人 (出生1,000人あたり、2022年/WHO)
妊産婦死亡率:185人 (出生10万人あたり、2023年/WHO)

マイエー郡の山岳地帯における母子保健改善事業(2022年3月-現在)

 
【目的】
妊産婦及び2歳未満児の予防可能な疾患や死を予防するための環境整備
 
【主な活動】
母子保健の改善に向けた計画策定・見直しワークショップ、保健研修ボランティアの育成、保健研修の開催、成長モニタリングの実施、離乳食教室の開催、ハエ防止型トイレの建設、水濾過器の設置、野菜の種の配布、など。
 
【活動レポート】
2024年5月:ミャンマー貧困地域の母子の健康を守るために
2023年6月:現地調査でのデジタルツールの活用
2022年6月:国際協力のすき間から見えてくるミャンマーの今
 
【活動地】シャン州北部マイエー郡
標高800~1,400メートルの山間地に位置し、250あまりの村に約7万人が暮らしている。事業では、この中で最も発展から取り残されている村々で活動。保健医療施設への移動手段が徒歩以外にない村が3割を超えるなど、アクセスが困難な上、多くの住民が十分な保健知識をもたず、母子の健康に負の影響を与える慣習や迷信なども存在している。
 
※本事業は、日本国外務省からの資金協力(日本NGO連携無償資金協力)に加え、皆様からのご寄付により活動を実施しています。
調理教室で離乳食づくりを学ぶ母親ら
衛生研修で正しい手洗いの方法を学ぶ

 

マンダレー地域メティラ郡における生計向上プロジェクト(1998年6月-現在)

 
【目的】
貧困層女性の自立ならびに生計向上
 
【主な活動】
65村の約2,400人に対して、マイクロファイナンスサービス(少額の資金を無担保で融資する制度。返済期間1年の通常融資、短期融資、零細企業向け融資、貯蓄など)を提供。
 
【活動レポート】
2025年1月:より良い未来のために
2023年2月:いまできることを着実に
2018年10月:経営情報システム(MIS)を導入
2018年1月:ロータリアンによるプロジェクト視察
 
【活動地】マンダレー地域メティラ郡
年間降水量が500~1,000mm程度と少なく、土地もやせているため、住民の多くが厳しい環境におかれている。農業収入は低い上に季節による変動が大きい中、市中の金融サービスから疎外されている貧困層女性にとってマイクロファイナンスは、非常に有効な生活改善の手段として活用されている。
 
※本事業は、国際ロータリー第2780地区の多くのクラブをはじめ、皆様からのご支援と外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」の資金を原資に実施しています。
融資で販売用の花の栽培に挑戦
融資を受け竹かごを制作販売
受益者の声(マイエー郡 保健研修の受講者 ナン・サン・ルーさん)
私の住むパーキー村には保健センターがなく、具合が悪くなると村に伝わる伝統的な治療を受けるか、自己流の薬物療法を行うしかありませんでした。
でも、アムダマインズの保健研修に参加したことで、子どもはもちろん、母親である私自身の健康を守るために必要な正しい知識を学ぶことができました。妊娠中はきちんと産前健診を受け、助産師さんの指導や研修で学んだことを実践したので、出産まで安心して過ごすことができました。赤ちゃんが生まれてから6か月までは母乳のみを与え、7か月からは料理教室で学んだ離乳食も与え始めました。おかげで、わが子は健康で活発!私は本当に幸せです。
近所のお母さんたちから「なぜそんなに健康なの?」とよく聞かれます。そうした関心を持ってもらえることが、私にとって大きな喜びであり、誇りでもあります。
ナン・サン・ルーさん
スタッフ紹介(マイクロファイナンス オペレーション・マネージャー タン・タイ)
1998年から現在まで、AMDAグループは私の住むメティラ郡で多くの開発プロジェクトを実施してきました。現在も続いている「生計向上プロジェクト」もその一つで、マイクロファイナンスを活用して、地域の暮らしを支えています。私を含めた、現在の運営スタッフのほとんどは、2002年からこのプロジェクトに関わり続けています。
ご存知のように、新型コロナウイルス感染症や不安定な社会情勢、そして自然災害などは、活動にも大きな影響を及ぼしてきました。私たちは、こうした様々な困難に直面しながらも、活動の目的である「貧困層女性の自立と生計向上」を忘れることなく、ミャンマーのコミュニティーのために存続し、粘り強く活動に取り組んでいます。
より良い未来に向けて、今後も着実に歩み続けていきたいと思います。
タン・タイ
ミャンマースタッフブログ
最新のブログ
ミャンマーの人は雨季が大好き
(2024年6月 南條昌康)
 
熱帯モンスーン気候に属するミャンマーの季節は乾季、暑季、雨季の3つ。この6月からはちょうど雨季が始まります。日本では、雨の多い時期はあまり好まれないかも…?!しれませんが、どうやらミャンマーの人は雨季が大好きだそう。その理由は…?!

 


バックナンバー
何曜日に生まれたの?」 2023年10月 白幡利雄
ミャンマーの人々の力を信じて」 2023年4月 南條昌康
非日常の中の日常~あの日から1年経ったヤンゴンの街」 2022年2月 五十嵐和代
社会の変化を痛感」 2020年7月 江橋裕人
ミャンマーで考えた手洗いと歯にまつわる話」 2020年4月 渡辺陽子
ミャンマー事業地のとある寺院で過ごした一日」 2019年6月 渡辺陽子
ミャンマーの得度式」 2019年1月 江橋裕人
スタッフの心に寄り添う警備員~ミャンマーの現地スタッフのご紹介」 2018年9月 佐藤幸江
ミャンマーの水かけ祭り」 2018年5月 渡辺陽子
パウッで舌鼓~地元の食べ物あれこれ」 2018年2月 渡辺陽子

過去のプロジェクト

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(2025年9月更新)