木下家ネパール珍道中!番外編「父ちゃんはつらいよ…」ネパール事業統括 木下智
Namaste(ネパール語で「こんにちは」)!日本では春に向けて、暖かくなってきた頃でしょうが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか? さて、国民的映画「男はつらいよ」シリーズでは、マドンナから身を引く寅さんの姿をみて辛く悲しい思いがしますよね。私は前回の一時帰国の際、4歳になるやんちゃ坊主に「留守中はかあちゃんの言うことをしっかり聞かなあかんでぇ」と言い残し、後ろ髪をひかれる思いでネパールに戻ってきました。 ネパール流子育てを一言で表すと、多くの大人が子どもにものすごく寛容で、子どもに「自由」が与えられているといえるのではないでしょうか。 |
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また、家族と地元レストランで食事に行った際には、店員さんが息子の世話をよくしてくれ妻と私はいつも助かりました。子どもはなかなかじっとしているのが苦手ですよね。食事が終わり椅子に座っているのが苦痛になり、何か面白いものがないか店内を徘徊しはじめます。家族でネパールに赴任当初は、他のお客さんに迷惑をかけてはいけないと思い、どこかに行った息子を連れ戻し妻も私も気になっていました。しかし、ネパールに行ったほとんどのレストランで働く店員さんたちは何ひとつ嫌な顔をせずに息子の相手をしてくれていました。息子がキッチンやバーカウンターの中を覗くと店員さんが色鮮やかなマドラーなど子どもが喜びそうなものをくれたり、息子を抱っこし外の風景を見せてくれていました。はじめは外国人だからこれだけのもてなしをしてくれているのかと思っていましたが、ネパール人の子どもたちにも平等に相手をしていることがわかりました。 |
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ある日、息子がネパールで一番仲の良かった小学2年生の女の子に怪我をさせたことがありました。その女の子が穴に落ちたボールを取る際に、息子が何かの拍子に後ろから押して、その女の子は穴に顔から落ちてしまいました。そして、穴のヘリで鼻の頭を打ち擦り傷ができてしまいました。怪我の話を聞いた妻は、「うちの息子が、女の子、ましてや顔に怪我をさせた。ああ、大変だ!どうしよう…」と気が気ではなく、早速女の子のご両親に謝りにいきました。すると、お母さんは「子どもは悪くて当然!みんな一緒やから気にしないで。」と。妻はこの言葉に救われ、今でも大変印象に残っていると言っています。 余談ですが、後日、近所の人たちが店先で井戸端会議をしている時に、その女の子の鼻の怪我を見て、「どうしたの?」と尋ねていました。女の子が経緯を説明すると、近所の人たちは近くにいた子どもたちに「その穴に絶対に近づくなよ。K(息子の名前)にまた背中を押されるぞ。」と冗談半分にいうと、集まった人たちは大爆笑!?でした。そして、挙句の果てにはある人は「K、でかした!」と息子をたたえていました。これぐらいのことは、大半のネパール人にとっては些細なことなんでしょうかねぇ。 |
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1年弱と短い間でしたが、このような中でネパール人の子どもたちと一緒に育ったKは幸運だったのかもしれません。時には友達の女の子に顔面をパンチされ「ママァ~」と泣いていたこともありましたが、たくさんの大人にかまってもらったり、近所の子達と一緒に外でシャワーを浴びたり、夕方暗くなった後も家の前で走り回ったりとたくましく育ってくれたと思います。 最後に、皆さんにご報告です! いつでもお待ちしております! |