新しい活動地で「母子の継続ケア強化」事業を開始しました

2024/03/21

2024年2月29日、ホンジュラスの首都テグシガルパ市で行われた贈与契約署名式に、事業統括の山田留美子が出席しました。対象となったのは、令和5年度日本NGO連携無償資金協力事業「レイトカ市及びクラレン市における母子継続ケア強化事業」です。
 

いつもより多い出席者の前で、活動内容の紹介とご挨拶をする事業統括の山田。

 
今回の式典は、草の根・人間の安全保障無償資金協力事業の署名式と一緒に開催され、ホンジュラスの外務・国際協力省やエネルギー天然資源環境鉱山省、事業対象各市の担当官も出席されました。そして、中原淳特命全権大使から次のような言葉をいただきました(※)。
 
「アムダマインズの新事業は、レイトカ市及びクラレン市にある13か所の保健所に、超音波検査機器を含む医療機器を供与し、保健医療サービスの向上を図るものです。また、エル・パライソ県での母子保健事業で導入した母子健康手帳の配布も予定しています。日本発祥である母子健康手帳は、妊娠期から乳幼児期の母子の健康を守るために重要な役割を担っており、今やそれが世界に広がり活用されています。この事業は、健康改善の取り組みとして、そして日本の支援としての大きなお手本となるでしょう。本事業の成功とともに、ホンジュラスと日本の友好関係の発展を祈っています」(※スペイン語によるスピーチの意訳)
 
贈与契約書に署名する中原大使(左)と山田。緊張感が漂います。

 
私たちは、ホンジュラスで15年以上にわたり母子保健事業に取り組んできました。その中で、母子の健康は女性だけの課題ではないこと、また、妊娠・出産の期間に限られたものでもないという認識を高めてきたことに基づき、この度の新規事業を計画しました。
 
重視するのは、母子保健を「継続ケア」、すなわち妊娠期に始まり乳幼児期、青少年期を経て、再び新しい命を授かる妊娠期に入るというライフサイクル全体で捉え、包括的にアプローチすることです。たとえば、産後健診では母親だけでなく子どもも診てもらうことや乳幼児期・青少年期の栄養摂取の指導をし、青少年期には妊娠前からの栄養摂取が重要であることなどを伝える。そして、これらの教育を受けて育った人が、また親になるための教育や妊婦健診を受けていく。そんなイメージです。
 
フランシスコ・モラサン県レイトカ市及びクラレン市で具体的に取り組むのは、公的保健所(診療所)への医療機材の供与、保健所スタッフ及び保健ボランティアへの技術向上研修、保健ボランティアによる訪問保健指導、母子保健手帳を活用した地域住民への啓発活動です。
 
こうした活動を進めるにあたり、保健所・地域・家庭が連携することにより、母子がその人生を通じて継続的にケアされるようになることを目指します。引き続き皆様の応援をよろしくお願いします。

事業対象地であるクラレン市の保健所。母子をはじめとする住民が最初に頼る保健医療施設です。