おかやまコープ「AMDA基金」からネパールへの贈り物
海外事業運営本部 竹久佳恵
生活協同組合おかやまコープ(岡山市北区)による「AMDA基金」(おかやまコープの公式サイトに移動します)の贈呈式が5月12日に執り行われ、ネパールの母子保健の向上に役立てて欲しいと、ご寄付を頂戴しました。
「AMDA基金」は、おかやまコープの各店舗に設置された募金箱へ寄せられた募金や、組合員の皆様からのご寄付が積み立てられたものです。
私も時折、自宅近くの店舗で買い物をしますが、レジ付近に置かれた募金箱に募金をされる方をお見掛けするたびに、ほっこりとあたたかい気持ちに包まれます。その方に近づいていき「私、実はAMDA基金でご支援をいただいているネパール事業の担当者なんです!ご寄付はとても役立っていて…」と、つい話しかけたくなる気持ちを押し殺しつつ…(笑)。
さて、昨年度は「AMDA基金」からのご支援でネパールへ届けた贈り物が、2つありました。1つは、保健ボランティアへの体温計です。コロナ禍ということもあり、「すぐに診療所まで足を運べない母子の健康管理に、体温計がとても役立った」という声が、多くの保健ボランティアから寄せられました。
たった1本の体温計ですが、モノとして役立っただけでなく、保健ボランティアが「自信」を得ることにもつながったようです。あるボランティアが、こう伝えてくれました。「自宅に体温計がある家など、村にはほとんどありません。私が体温計をもっているということで、村の人からより頼ってもらえるようになり、うれしく思っています。無償で続けている保健ボランティアなので、人から頼られること以上のやりがいはないですからね」
岡山からネパールへ届けた一番の贈り物は、実は「保健ボランティアとしての自信」なのかもしれないな、と私は思っています。
そして、もうひとつの贈り物は、経済的に厳しい家庭に生まれた赤ちゃんと家族をささえる「赤ちゃんキット」です。キットの中身は、おくるみや布おむつ(さらし)、新生児服、お世話セット(おむつかぶれクリームや保湿クリームなど)などで、特別にデザインした袋にこれら一式を入れて渡しました。
布おむつの代わりにぼろきれを、ベビーオイルの代わりに菜種油を使わざるを得なかった経済的に苦しい家庭にとっては、夢のようなプレゼント。
「わぁ~、素敵!こういうものを使ってみたかったの。うちの赤ちゃんは幸運だわ」と目をキラキラさせながら赤ちゃんキットの中身を見つめるお母さんの姿はもちろん、「赤ちゃんの誕生を、岡山のみなさんにも喜んでもらっているように感じます」というご家族の言葉も印象的でした。
ネパールは、アジア最貧国の1つです。経済成長をけん引するような有望な産業が育っておらず、海外出稼ぎ労働者からの送金や観光業に大きく依存する社会経済は、コロナ禍で大きな負の影響をうけました。そして、そのしわ寄せは社会的に弱い立場にある人々へいっています。「AMDA基金」を通じて、こうした人々を支援することができ、大変うれしく思っています。
「AMDA基金」に募金をお寄せくださった組合員の皆様、その他多くの岡山県民のみなさま、本当にありがとうございました。これからもネパールの人々に、寄り添い続けます。
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