ミャンマー、マグウェ地域パウッ郡で新規事業を開始しました
2015年2月21日、日本NGO連携無償資金協力事業「マグウェ地域パウッ郡南部における地域保健プロジェクト(フェーズ1)」を開始しました。
マグウェ地域は、ビルマ族(ミャンマー人口の70%を占める多数派民族)の居住地域において最も経済・保健指標が低いとされ、その中でもパウッ郡は、特に重点的な取り組みが必要な地区です。その大きな要因の一つに、保健医療にかかるサービスと情報へのアクセスが困難であることが挙げられます。交通の便が悪い地域が多く、事業対象地である郡南部は川からの増水による洪水被害で頻繁に通行が妨げられ、そうした際には村の人たちが近隣の保健医療施設を訪れることも、医療従事者が村への巡回医療サービスを実施することも非常に困難になってしまいます。また、医療従事者そのものも不足しており、この地域で暮らす人々にとって、公的な保健医療サービスを受けることは身近な選択肢ではありません。
このような状況の中、本事業では、村の中に保健衛生環境の改善を推進する組織と人材(地域保健委員)を育成し、彼らを通じて地域住民が保健・健康への意識を高め、自分たちで病気の予防や初期対応に取り組む力を身に付けることを目指します。
それぞれの村の委員たちは、まず自分たちの生活を振り返り、保健衛生に関する村の課題の分析、解決に向けた活動計画の策定を行います。その後、保健知識や応急手当などについて研修で正しい知識と技術を身に付けたうえで、計画に基づいて保健教育、村内清掃、応急手当、ハエ防止型トイレの普及といった活動に取り組み、住民の保健・衛生への意識の高まりと改善に向けた自主的な取り組みを推進します。このほか、各村の委員同士、委員と基礎保健スタッフの間で、会合や情報共有の場も設け、地域の保健衛生状況の改善に向け関係者が一丸となって取り組むことができるよう、関係づくりをサポートしていきます。
村の人たちが、自分の力で家族の健康と未来を守っていけるよう、みなさまのあたたかいご支援をお願いいたします。