シャン州ナムトゥタウンシップで新規事業を開始しました
2015年2月1日、日本NGO連携無償資金協力事業「ナムトゥタウンシップにおける住民参加型水と衛生・保健改善プロジェクト」を開始しました。
ナムトゥタウンシップはシャン州北西部に位置し、シャン族、パラウン族、カチン族などの少数民族が居住しています。山岳地域特有の課題を抱え、たとえば本プロジェクトを実施する南部および北西部においては、安全な水へのアクセス率は22%(全国平均81%)、衛生的なハエ防止型トイレを所有する世帯は32%(同平均70%)、下痢の罹患率は全国平均の1.6倍(1,086人/10万対)、医療従事者による分娩介助を受けた女性は25%(同53%)と、地域住民が十分に公共サービスを享受できていない状況です。
そこで、上述のような水と衛生・保健に係る指標がとりわけ劣悪な19村を対象として、これまで十分に得られていなかった安全な水、よりよい衛生環境や保健医療サービスを人々が享受し、自分で病気を予防していけるようになることを目的としたプロジェクトを実施することになりました。そして、この目的を達成するだけでなく、その効果がプロジェクト終了後も続いていくように、住民自身が全ての活動に主体的に取り組み、村の状況改善の過程を経験できるよう計画しています。
プロジェクトではまず、水と衛生・保健改善活動を中心となって推進する村の委員会(1村5~9名程度)を組織し、委員会メンバー対象に水と衛生や保健の知識に関するトレーニングを行います。また、自分たちの村の水と衛生・保健環境をどのように改善したいかを村人自身が話し合い、それを実現するための活動(例えば、水供給施設やトイレの設置、住民に対する保健教育活動など)を決定する場を設けます。そして、決定した活動が実際に住民自身によって計画・実施されるよう、プロジェクトでは必要な技術指導を行ったり、資機材を供与したりします。さらに、住民にとって最も身近な施設である公的保健医療施設(地域保健センターなど)で、必要な時によりよい保健医療サービスを受けられるように、駐在スタッフ(助産師や保健師など)へのトレーニング支援や、不足している医療器具を提供します。
19村の住民のアイデアを引き出し、水と衛生・保健状況を改善したいと願う彼らの意欲を伸ばし支えながら、住民自身が自信を持てる活動にしていきたいと思います。引き続き皆様の温かいご支援をお願いいたします。