マダガスカルをちょっと身近に感じられるあれやこれや
海外事業運営本部 竹久佳恵

2024/03/21

アフリカ大陸の「横」の島だとか、バオバブの木があるところ?だとかでくくられがちなマダガスカルを、ちょっとだけ身近に感じられるようになるあれやこれやを、私の初出張で出会ったものからご紹介したいと思います。
 
意外と多い?!日本語学習者


 
「おそいですよね~」と突然、背の高い青年から流ちょうな日本語で話しかけられたのは、マダガスカル事務所近くのATMの列に並んでいた時のこと。私の前に並んでいた彼は、私と同僚との日本語の会話「結構並んでるね~。時間かかるかな?」に反応したのです。
 
こちらはガソリンスタンドのキオスクにあるBank of AfricaのATM(写真中央奥)。食品や雑貨、雑誌販売に加えカフェも併設されているキオスクは、日本で言うコンビニと道の駅をあわせたような存在。

 
「ちょっとしか話せませんよ…」と謙遜するわりには、どうやら大学で日本語を勉強したことがあるようで、発音がきれいで会話もよどみない。私が長らく担当してきたアジアの国々でなら、出張中に日本語で話しかけられることなどしょっちゅうだけど、ここは日本から遠く離れたマダガスカル。それも短期出張の初日に、流ちょうな日本語で話しかけられたのは、ちょっとした驚き。
 
今回の出張中、フランス語もマダガスカル語もできない私のために、英語通訳をしてくれたフェチさんによると、彼の出身大学には選択科目の1つに日本語があり、フェチさんも日本語を学んだそうです。
 
プロジェクトのチームメンバーと通訳のフェチさん(左から5人目)

 
在学中はカタカナもひらがなも書けたし、簡単な会話ならできたらしいけど、今ではすっかり忘れてしまったとかで残念。にしても、マダガスカルの大学に日本語の授業があるだなんて、これもまたちょっとした驚き。ちなみに、国際交流基金のデータによると、マダガスカルの日本語学習者数は、エジプトに次いでアフリカ大陸第2位なのだそう!
 
ここでも有名、日本のアニメ・マンガ


 
日本語学習者が多い理由の一つは、みなさんご存じ、アニメ・マンガをはじめとする日本のポップカルチャーの普及。通訳のフェチさんの3人の娘もみな、日本のアニメが大好きで、最近は「かぐや姫」と「ドラえもん」がお気に入りだとか。ちなみにフェチさん自身は「NARUTO」や「ドラゴンボール」が好き。
 
高級スーパーマーケットの雑誌・本コーナーには、「進撃の巨人」(写真最上段)や「東京リベンジャーズ」(写真最下段)など、日本のマンガがずらりとならんでいました。が、高い!なんと1冊約1,800円!マンガを買えるのは富裕層や外国人で、インターネットで日本のアニメ・マンガを楽しむのが一般的なようです。

人力車と日本車


 
さて、初マダガスカルの初日を終えて宿泊先に戻り、ふと部屋のタペストリーを見れば、ここにも日本?!そう、東京の浅草や、わが地元岡山県の観光名所、倉敷美観地区でもよく見かける人力車とよく似た乗り物が描かれていました。
 
タペストリーの下部に並んでいるのは日本の人力車と同じデザインですよね。ちなみに中央の「MORA MORA」はマダガスカル語で「ゆっくり、ゆっくり」の意味。「MORA」1つだと、「安い」とか「簡単」という意味だそう。

 
マダガスカル語で「プシュプシュ」と呼ばれるこの乗り物。タペストリーにデザインされているだけあって、昔のものかと思えば、なんと現役!確かに、翌日訪問した活動村では、にぎやかな村の中心部だけとはいえ、たくさんのプシュプシュが走っていました。長い距離、というよりちょっとそこまで的な用途で活用する人が多いようで、買い物帰りの女性や、登下校?の子どもだけが乗っていることも。
 
車内からの撮影なので、わかりにくくてすみません。これはアムダマインズの活動村でみかけた人力バージョン。もう少し首都に近い場所では、自転車でけん引するバージョンが大多数を占めます。

 
乗り物といえば、日本車。アジアの事業国でよく見かけるのはSUZUKI、HONDA、TOYOTAといったラインナップが主流ですが、ここマダガスカルでわんさか走っているのは、アジアの事業国ではあまり見かけることのないMAZDA。それもCX3やCX5といったおなじみのモデルからピックアップトラックまで車種も豊富。首都アンタナナリボにMAZDAの販売店があるそうですが、地元岡山のお隣、広島県が誇るMAZDAをこんなにも見かけるのは、アジアメインで仕事してきた私にはとっては、ちょっとした驚き?感激?でした。
 
こちら、マダガスカル事務所が入居するビルの駐車場。ルノーやシトロエンに交じって停められていたのはMAZDA!

 
日本から遠く離れたマダガスカルを、ちょっとだけ身近に感じていただけたでしょうか?
次の出張では、逆に日本が身近になるあれやこれやを、マダガスカルの人に伝えたいなと思っています。
 
 

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この記事を書いたのは
竹久 佳恵(たけひさ よしえ)
海外事業運営本部 プログラムコーディネーター


沢木耕太郎や小田実の本に影響を受け、民間企業を退職してバックパッカーの旅へ。その際訪れたネパールの片田舎で老婆を助けたことをきっかけに、国際協力に関心を持つ。帰国後、アムダグループの「援助を受ける側にもプライドがある」という言葉に共感し、2002年にアムダ海外事業本部(アムダマインズの前身)入職。働きながら開発学修士を取得。ベトナム、カンボジア、ミャンマーに駐在後、2010年から現職。遅ればせながら韓流ドラマにはまってしまい、暇さえあればドラマを見る日々。岡山県出身。

 

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